2013 Fiscal Year Annual Research Report
モバイルクラウドブロードバンド型の聴覚障害者用遠隔教育・コミュニケーションの研究
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24300263
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
小林 正幸 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (50215365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 保志 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (70212917)
三好 茂樹 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (80310192)
白澤 麻弓 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (00389719)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育工学 / 字幕 / ルビ / モバイル / 聴覚障害 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は、次の通りである。 1.国内で開催された様々な展示会を見学し、(1)スマートフォンやタブレット端末等のモバイル機器、(2)Wi-Fiアクセスポイント等のIT関連機器、(3)映像機器等に関する最新の情報、動向と資料を収集した。 2.遠隔地で話者の音声を聞きながら速記キーボードやパソコン要約筆記で入力した文字列に、難読な漢字のみに自動でルビを付加して提示するマルチモバイル端末情報支援システムを次のような最新の携帯端末でも対応するようにした。このシステムの機能は、視聴者の漢字の読み能力に応じて、すべての漢字にルビを振る全ルビ、小学1年~6年、中学、高校までの中から1つを設定できる。また、モバイル端末に提示する文字サイズ、スクロール速度,文字更新間隔も数種類の中から視聴者が自由に設定できる。対応した具体的な端末は、(1)“Android 4.3”のOSを搭載したスマートフォン、(2)“Android 4.1”のOSを搭載したタブレット端末、(3)“iOS 7”のOSを搭載したタブレット端末である。 3.速記キーボードやパソコン要約筆記で入力した文字列の中で難読漢字のルビ文字を生成するソフトを、学年毎に設定したパソコンで稼働させルビ文字生成の処理を行うものから大幅に改良・改善し、パソコン1台のみで、小学1年~6年、中学以上の学年すべてに対し、ルビ文字生成の処理を行えるようにした。このことで、例えば小学1年~6年の学年に対応したルビ文字を生成する場合は、旧ソフトでは6学年分で6台のパソコンが必要となるが、新ソフトでは1台のパソコンで小学1年~6年の学年すべてに対しルビ文字生成を実行できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
様々な機能を有する聴覚障害者のための情報支援システムの開発は、当初の計画以上に進展し、聴覚障害者を教育の対象とした本学産業技術学部の講義場面等での情報保障として、実用レベルまで研究・開発が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
スマートフォンやタブレット端末に、Wi-Fiマルチキャストを介してマルチメディアコンテンツの提示とリアルタイム字幕を配信するシステムを、1.VPN(仮想プライベートネットワーク)を用いた手法、2.パソコン要約筆記「IPTalk」のネットワーク連携機能を用いた手法、3.クラウドサーバでも動作する通信機能拡張プログラムの手法により、パソコン要約筆記「IPTalk」や速記用キーボード入力にも対応させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.高性能で信頼性が高く設置が簡単で安価なWi-Fiアクセスポイント、2.スマートフォンと連携して自由に視線を移動しながらリアルタイム字幕も同時にできる小型・軽量で高輝度なシースルーメガネ型ディスプレイ、3.維持費が安価で信頼性が高い納入実績のあるクラウド等のサーバが提供される環境が整っていなかったためである。 1.Wi-Fiアクセスポイントを用い、スマートフォンやタブレット端末と同時に、実験、実習、劇場等の場面で自由に視線を移動しながらリアルタイム字幕も同時に提示できる小型・軽量で高輝度なシースルーメガネ型ディスプレイ用のリアルタイム字幕提示システム、2.VPN(仮想プライベートネットワーク)やクラウドサーバ等を用いたパソコン要約筆記で簡単に字幕入力作業ができるシステム等、を開発する予定である。次年度使用額はH26請求額と合わせて、それらに要する経費に充てる。
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