2015 Fiscal Year Annual Research Report
中部山岳における第四紀地形・地質学の再構築:最終氷期以降の大規模地すべりを中心に
Project/Area Number |
24300321
|
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
苅谷 愛彦 専修大学, 文学部, 教授 (70323433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松四 雄騎 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90596438)
高岡 貞夫 専修大学, 文学部, 教授 (90260786)
原山 智 信州大学, 理学部, 教授 (60293536)
西井 稜子 国立研究開発法人土木研究所, その他部局等, 研究員 (00596116)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 地すべり / 日本アルプス / 岩盤の重力変形 / 深層崩壊 / 氷河 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は補備調査と、研究成果の総括及び公表を行った。 【補備調査】軽飛行機をチャーターし、北アルプス全域及び南アルプス北部における大規模地すべり地や岩盤重力変形現象の目視観察と写真撮影を行った。これにより、通常の航空写真や衛星画像では捉えきれない地形や植生の細部情報が得られた。写真は地形・植生解析に活用され、研究代表者が平成27年度以降進めている新たな地すべり研究でも利用されている。この他、短期の現地調査を実施した。 【成果公表】日本地理学会2015年春季大会において、シンポジウム「地理学からみる日本アルプスの大規模地すべり」を開催し、本研究組織メンバーと日本地理学会会員による発表がなされた。本シンポジウムは日本アルプスにおける大規模地すべりの地形・地質特性のみならず、人文・社会現象まで包括して大規模地すべりを地理学的視点で捉えることをねらいとした。総合討論では全発表テーマを網羅する議論が展開され、地理学的地すべり研究の重要性が確認された。 また第19回国際第四紀学連合大会において、”Sagging and large landslide”セッションを開催し、本研究組織メンバーによる成果発表を行った。学会公式旅行の一環として北アルプス各地を外国人研究者20名と訪ね、大規模地すべりや岩盤の重力変形に関する討論を行った。この他、国内の学会や研究集会において本研究の成果を逐次発表した。また学会誌への投稿準備に着手した。 【総括】日本アルプスの各地に大規模地すべりが存在し、それらは主に更新世後期末期から完新世に発生したことが解明された。従来、日本アルプスの地形形成論で強調されてきた更新世の氷河作用・周氷河作用の貢献度は相対的に小さく、現在の地形や景観をもたらした主因として大規模すべりやその先行現象である岩盤の重力変形の果たしてきた役割が大きかったことが確認されつつある。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|