2015 Fiscal Year Annual Research Report
アダプティブ・マネジメントによるコウノトリ野生復帰の研究と実行
Project/Area Number |
24310033
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
江崎 保男 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 教授 (10244691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 和海 近畿大学, 農学部, 教授 (10330242)
佐川 志朗 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 准教授 (30442859)
大迫 義人 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 准教授 (40326294)
三橋 弘宗 兵庫県立大学, 付置研究所, 講師 (50311486)
内藤 和明 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 准教授 (50326295)
菊地 直樹 総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60326296)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コウノトリ / 再導入 / アダプティブマネジメント / 合意形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
兵庫県豊岡市祥雲寺地区、および福井県越前市白山地区においてコウノトリ自活モデル事業の評価を行った。前者では、2015年3月に実施された、鎌谷川から水田ビオトープにいたる魚道整備事業に対して、河川とビオトープ双方で事業評価のための調査を実施した。後者では、水生動物の生息空間を拡大させるために設置された、水田に隣接する恒常的水域(水田退避溝)に対して事後調査を実施した。その結果、両事業とも水生動物の現存量が増加する結果を得た。以上よりコウノトリの餌動物のavailability向上のためには、水系の連続性を確保すること、水田域に近接したソース環境(恒常的水域)を創出することが、極めて効果的であることが示されると同時に、コウノトリの自活に向けて大きな前進を果たした。このようにして、研究開始時の目的が達成され、アダプティブ・マネジメントによる野生復帰方法論を確立することができた。 ちなみに現在、豊岡市とその周辺以外には新たな繁殖ペアがいまだ誕生していないが、その兆しが見えつつある。2015年春、徳島県鳴門市に但馬地方生まれの雌雄が定着し、2016年3月時点で産卵の可能性が出てきたからである。そして、その理由が豊かな餌にあることは明らかである。ここでは水田でのレンコン農作が行われており、周年コウノトリが侵入できる浅い水域と、そこでの頻繁な採餌が確認されたからである。研究代表者の江崎は、鳴門での官民学の連携による野生復帰実践にアドバイザーとしてずっと関わっており、今後は、野生復帰の全国展開が見込まれる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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