2014 Fiscal Year Annual Research Report
「中核被災者」を主体とした被災限界からの自律再建メカニズムの解明
Project/Area Number |
24310123
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
柄谷 友香 名城大学, 都市情報学部, 准教授 (80335223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 民代 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50416400)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 住宅復興 / 自主住宅移転再建 / 市街地整備事業 / 市街地空間変容 / 被災者レジリエンス / 中核被災者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、行政に過度に依らず、社会的ネットワーク等の資源を活用しつつ、生活・地域再建を支える「中核被災者」の自律再建メカニズムを考究してきた。今年度は、住宅復興期を迎え、市街地整備事業が長期化する中、自ら土地を探し、早期の住宅再建を果たす「自主住宅移転再建者層」を被災者の自律再建の体現と捉え、立地状況に関する現地踏査を長期継続してきた。 ・住宅被害率、建物用地浸水率の高い東北沿岸被災9市町を対象とし、現地踏査及び被災前後のゼンリン住宅地図を照査し、震災後の新規着工建物約2,500カ所を特定した。 ・自主住宅移転再建者の意思決定と再建行動の実態を質問紙調査(有効回答数325/訪問配布数988件)とヒアリング調査を基に把握した。個人による移転再建の選択動機は、津波リスクの軽減と膨大な市街地整備事業の長期化を懸念した事業の回避である。住宅再建を可能にした資源は、地震保険加入や親子ローンにおける家族の存在、家族・親戚や知人・友人による土地の譲渡や情報提供が活かされた。自主住宅移転再建の功罪は概ね好意的な評価であったが、移転先の利便性やコミュニティとの関わりによっては課題として指摘された。 ・2,500カ所の新規着工建物の位置データをGISにより空間解析した結果、被災者の自律的な再建行動の集合が新たな市街地空間を形成につながること、市町の地域特性や被災特性によってスプロール化していく様相を実証した。このことは、早期の生活再建という視点では、自主住宅移転再建は大きく寄与したが、市街地空間形成という面からは持続性に課題を抱えている。震災を機に過疎化や高齢化が進む中で、市街地の拡大化・低密度化はインフラ整備や維持コストの増大、市民のモビリティ・アクセシビリティの低下等の非効率性をもたらしかねない。被災者による自主住宅移転再建を空間的に誘導していく事前・事後の計画技術が求められることを提起した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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