2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24310126
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
豊澤 康男 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 部長 (20358419)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 和也 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 主任研究員 (80371095)
吉川 直孝 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 研究員 (60575140)
堀 智仁 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 研究員 (20508634)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | リスクアセスメント / 建設工事 / 安全 / 労働災害 / 安全衛生管理 |
Research Abstract |
日本においては平成17年の「労働安全衛生法」の改正で「リスクアセスメントの努力義務化」され、建設業においても導入が進んでいる。しかしながら、労働災害の減少効果が見られないのが現状であり、国際的に見ると、日本は英国の3倍を超える労働災害が発生している。また、スウェーデン、スイスなどと比べると2倍程度であり、ドイツに比べても発生率が高い。本研究では、国際的な動向を踏まえつつ、日本におけるリスクアセスメントの問題点等を解明することにより日本の建設業において効果的なリスクアセスメントを提言することを目的としている。 1年目(平成24年度)は、災害事例分析、国内外の文献調査、建設企業におけるヒアリングによる実態調査を主に実施した。その結果、主に次のようなことが明らかとなった。 (1)トンネル工事など不確定な地盤リスクがある場合は、施工途上におけるリスクへの対応を盛り込む必要があり、発注者、設計者が設計・計画段階(上流)で対応することが不可欠であること。(2)性能設計等を採用する場合には、特に大事故につながる想定外が無いようにリスクを正確に評価する必要があること。その際にはエビデンスベースドデザイン(Evidence-Based Design)の考え方を導入することが考えられる。(3)日本における実態調査から、日本においてはリスクアセスメントを導入することにより、かえって書類等の作成の業務量が増加し、安全衛生管理担当者が現場に行けないなどの矛盾・問題が生じていることなどがわかった。文献等の調査結果から英国等ではリスクアセスメントの効率化・簡素化が進んでいることがうかがえた。日本との比較対象として調査・分析を進めたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度に予定していた集計業務委託と海外調査(英国等のEU各国)が日程等の都合で実施できなかった。 両者ともに平成25年度中に実行する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では施工現場等における実態調査を主に「聞き取り」調査により行うことを特色としている。 平成25年度は、日本と較べて建設業の労働災害が3分の1以下である英国などEUの先進国等において、政府、労働安全衛生研究所、施工現場等での聞き取り調査を実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前述したように、平成24年度に予定していた海外調査(英国等のEU各国)が日程等の都合で実施できなかったためなどにより計上していた予算を繰り越すことになった。平成25年度中に調査を実施したい。
|