2014 Fiscal Year Annual Research Report
地震津波複合災害時におけるライフラインの被害推計と応急復旧過程のモデル化
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24310133
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄司 学 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60282836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 茂 鹿島建設株式会社, 技術研究所, 研究員 (50217999)
八木 勇治 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50370713)
村尾 修 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (70292753)
丸山 喜久 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70397024)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ライフライン防災 / 地震津波 / 液状化 / 複合災害 / 被害推計 / 応急復旧 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては,1)平成25年度から引き続き,東日本大震災におけるライフライン被害の相互連関を考慮した「物理的・機能的被害推計モデル」の構成要素である地震津波被害関数のプロトタイプモデルを高精度化するとともに,2)ライフラインの応急復旧過程を記述するネットワークモデルを地震津波複合災害の場合に拡張するための数理ロジックを構築した.1)については,対象とするライフラインのシステム耐性に係わるパラメータが被害率や被害確率に与える感度を明らかにし,強震動・液状化及び津波作用のハザード指標(例えば,地表最大速度,加速度の繰り返し振幅,地盤ひずみ,水位,越流水深,流速など)の時空間の推計精度を高めることで地震津波被害関数を高精度化した.2)については,応急復旧過程を記述する時空間情報(例えば,復旧時間,復旧箇所など)と上記の地震津波被害関数を連結させることにより,応急復旧過程の遅延を連続的・統合的に評価可能な「応急復旧過程俯瞰モデル」の数理ロジックを明らかにし,ケースステディによる試算を実施した.
以上の点に関しては,上水道・下水道並びに通信施設の埋設管路,道路交通インフラを構成する橋梁・盛土構造,及び,防潮堤施設のライフラインに対して,新規性及び有用性の高い一定レベル以上の学術的知見を得ることができた.
これより,強震動やそれによって励起される液状化,及び,津波の複合作用を受けるライフラインの物理的・機能的被害を作用形態に区分して高精度に評価可能な地震津波被害関数を介して,ライフラインの応急復旧過程を連続的・体系的に推計できるモデルが構築されつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強震動・液状化・津波による複合作用を受け,対象とするライフラインに甚大な物理的・機能的被害が生じた地域の被害データに対する分析が着実に進捗するとともに,「物理的・機能的被害推計モデル」の構成要素となる地震津波被害関数のプロトタイプモデルを高精度化し,これらを「応急復旧過程俯瞰モデル」に接続させるための数理ロジックを明らかにすることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
1)各ライフライン地震津波被害関数を「物理的・機能的被害推計モデル」に適用する枠組みの数理ロジックを修正・再精査した上で,2)ライフラインの応急復旧過程を記述するネットワークモデルに「物理的・機能的被害推計モデル」を接続させ,応急復旧過程(例えば,復旧時間,復旧箇所など)を定量的に推計可能な「応急復旧過程俯瞰モデル」に統合化し,3)巨大地震津波のリスクが蓋然的に高いと考えられる地域を対象とした被害推計を実施する.
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Research Products
(16 results)