2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24310183
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 由美 京都大学, 附属図書館, 准教授 (70335214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (10513517)
芹澤 知広 奈良大学, 社会学部, 教授 (60299162)
津田 浩司 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (60581022)
奈倉 京子 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (70555119)
横田 祥子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (80709535)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 東南アジア / インドネシア / 華僑・華人 / 移動 / ライフ・ヒストリー |
Research Abstract |
本研究は、インドネシア華人とその再移住の調査を通じて、脱植民地化、国民国家形成、冷戦といった20 世紀のアジアの国際関係をとらえなおすことを目的としている。移動の時期を第二次世界大戦後から1980年代(第1期)と、1980年代以降(第2期)に分け、H25年度は、初年度に引き続き第1期の移動に関する調査を予定していた。 当初の予定通り、メンバー各自の個別調査に加え、国内研究会とインドネシア華人と中華人民共和国を結びつける重要なハブである香港における共同調査を行った。国内研究会では、インドネシア華人の移動の背景に関する歴史的事実を主題とし、最新の研究動向に関する知見を得られた。 研究のアウトプットも活発に行った。具体的には科研グループメンバーによる論文や図書の公刊に加え、東南アジア学会大会にて、科研メンバーによるパネル発表を行った。また、アメリカを本拠地とする国際学会であるアジア研究協会大会にて、研究代表者がシンガポールやアメリカの研究者とパネル発表を行った。これらの研究発表によって、国内外の研究者コミュニティから本研究の方向性や手法について肯定的な意見を得られると同時に、今後の展開について多くの助言を頂いた。 H25年度の具体的な活動内容は以下の通りである。①H25年6月2日 第89回東南アジア学会研究大会パネル発表「インドネシア華人の国際移動と20世紀アジアの動態」(鹿児島大学)②H25年10月30日~11月3日 香港共同調査 ③H26年1月13日 国内研究会 「 中華人民共和国とインドネシア-国交樹立と9・30事件による華人の移動-」(京都大学)④H26年3月29日 AAS Panel "Under the “Specter of Comparisons”: Southeast Asia Chinese and their Trajectories" (フィラデルフィア)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H25年度は、国内研究会、香港共同調査に加え、国内・国外でのアジア研究関連学会および国際研究集会にて複数の研究グループメンバーが本科研のこれまでの調査結果の中間報告を行う機会を得られ、インプット・アウトプットともに当初の予定以上に成果が多い一年だった。さらに、研究代表者(北村由美)がこれまで積み重ねてきたインドネシア華人の文化と歴史に関する調査を基軸にした、単著『インドネシア 創られゆく華人文化―民主化以降の表象をめぐって―』を上梓し、本研究の背景となるインドネシア華人研究の成果を公表することで、研究者コミュニティを超えて本研究がより広く・深く理解されるための礎ができた。なお、本書は2014年4月27日の『日本経済新聞』書評欄で紹介された。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は、第二次世界大戦後から1980年代(第1期)と、1980年代以降(第2期)に分けたインドネシア華人の移動時期のうち、第2期の調査に着手する予定である。具体的には、研究グループメンバー各自による個別フィールド調査・文献調査に加え、第1期・第2期のどちらもに亘って継続的にインドネシア華人を受入れてきた台湾での合同調査を予定している。また、最終年度にあたるH27年度に向けて、これまでの調査内容の分析を進めていく予定である。共同調査で得られた情報の追跡調査をどのように分担していくかが今後の課題である。
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Research Products
(22 results)