2015 Fiscal Year Annual Research Report
古代東アジア諸国の仏教系変格漢文に関する基礎的研究
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24320013
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
石井 公成 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (10176133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博達 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (90131292)
金 文京 鶴見大学, 文学部, 教授 (60127074)
瀬間 正之 上智大学, 文学部, 教授 (00187866)
奥野 光賢 駒澤大学, 仏教学部, 教授 (40279667)
師 茂樹 花園大学, 文学部, 教授 (70351294)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 変格漢文 / 日本書紀 / 三経義疏 / 倭習 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究に引き続いて変格漢文に関する共同研究をおこない、2015年12月18日から20日にかけては、国際研究集会を開催し、研究メンバー以外に中国から南京師範大学の董志翹教授と対外経済貿易大学の馬 駿教授、韓国からは鄭在永教授と崔鈆植教授を招いて資料 調査と研究発表・討議をおこなった。 これにより、『日本書紀』成立に当たって大きな役割を果たした百済系の史書における変格漢文の中には仏教漢文も混在することが明らかになるなど、大きな成果が得られた。 調査の範囲を広げ、『日本霊異記』など平安初期成立ながら奈良時代の資料をかなり用いている文献における変格漢文の調査にも着手した。 論文データベースについては、周辺分野の論文も採取することとし、データ入力を開始した。 また、研究代表者は、一般向けの書物である『聖徳太子ー実像と伝説の間』(春秋社、2016年1月)を刊行し、聖徳太子研究・『日本書紀』研究において変格漢文の調査がいかに重要であるかを一般社会にアピールした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究は進んでおり、研究開始時に比べれば変格漢文研究のレベルは大幅に向上した。単に変格漢文であると指摘するだけでなく、どのような系統の変格漢文であるかという面にまで踏み込んだ研究が進みつつある。最近では、史学や仏教学の論文でも、変格漢文に言及るものが増えているのは、本研究の影響による面もあろう。 ただ、論文データベースと用例データベースについては、見直しが続き、試験的な運用にとどまっており、一般向けに公開するに至っておらず、この面だけは予定より遅れている。また、予定年度のうちに報告論文集を刊行する予定であったが、こちらも刊行することができなかった。 すなわち、研究そのものは大幅に進展したものの、成果の刊行とインターネット公開が遅れており、研究期間を1年延長せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は、研究成果の公開に全力をあげることとし、論文データベースと用例データ ベースのインターネット公開をなしとげるとともに、研究成果論文集の刊行を行なう。 データベース作成にあたっては、当初は大学院生の協力によっていたが、それでは不十 分な面が多かったため、専門業者への依頼を検討している。
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Causes of Carryover |
予定していた論文データベースならびに用例データベースの公開ができず、また研究成果論文集の刊行ができなかったため、その分の費用が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベースについては、業者に作業の一部を依頼して公開する予定である。 研究成果論文集については、海外の協力研究者の研究も含め、関連論文を収集しており、印刷物としての刊行を予定しているため、予算を執行できる見込みである。
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Research Products
(10 results)