2013 Fiscal Year Annual Research Report
交錯するまなざし――琉球・沖縄をめぐる欧米のトラベルライティングの総合的研究
Project/Area Number |
24320056
|
Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
山里 勝己 名桜大学, 国際学部, 教授 (80101450)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 昌英 琉球大学, 法文学部, 教授 (70244283)
豊見山 和行 琉球大学, 法文学部, 教授 (40211403)
浜川 仁 沖縄キリスト教学院大学, 人文学部, 准教授 (70412872)
宮里 厚子 琉球大学, 法文学部, 准教授 (70325827)
山城 新 琉球大学, 法文学部, 准教授 (80363654)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 欧米のトラベルライティング / 琉球 / 沖縄 / 異文化接触 / コンタクトゾーン / ポストコロニアリズム / 表象論 / 反表象論 |
Research Abstract |
平成24年度に引き続き、琉球・沖縄をめぐる英米のトラベルライティングに関する1次資料等の収集を海外の資料館等で行い、一定の収穫があった。特に、19世紀の英米の琉球をめぐるトラベルライティングに関する新史料の発見などがあり、現在その解読を進め、出版の可能性を探っているところである。また、沖縄においてもベッテルハイムのような重要人物に日記が公刊され、その分析を通して新たな洞察が得られた。さらに、太平洋島嶼地域に関するトラベルライティングの研究と琉球・沖縄に関するトラベルライティングの比較研究も進んでおり、この視点からも新たな洞察が得られた。外国の研究者を交えた研究会、討論会では、これまでの分析を越えた視点を獲得することができ、有益な情報共有が可能となっている。それぞれの研究分担者の個別の分析が進行し、理論的な検討及び事例研究の再検討が現在おこなわれているところである。本研究の重要性は、琉球・沖縄をめぐる欧米のトラベルライティングの研究を通して、これまで日本のトラベルライティング研究で欠落していた空白を埋める可能性を有することであるが、過去2年の研究において、欧米のトラベルライティングによる欧米での琉球イメージについての分析が進み、これまでの通念を書き換えるような洞察が得られるようになった。また、理論及び研究方法においても、従来の 研究や理論とは異なるものが本年度の研究で得られるようになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料・史料収集とその分析、そしてその結果として理論構築が遅れ気味であるが、1次資料等の収集は成果があり、今後の分析、検討、討議により新知見が得られると判断している。また、琉球・沖縄をめぐる大部の新資料の公刊等により、当初の研究計画に重要な資料が追加された。これは、本研究の意義をさらに深化させるものである。このように、全体的な観点から見ると、おおむね順調に進展していると言うべきであろう。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、本研究の最終年度にあたるので、さらなる資料の収集及びその分析と全体討議を踏まえて、最終的な理論構築と事例研究の深化を図る。また、個々の研究者については、それぞれの分担分野におけるまとめをおこない、全体的な討議に備えて資料の整理、分析、さらなる資料収集、論文または研究書執筆に向けて準備をおこなう。さらに、新資料の発見にともな出版の可能性を追求する。最後に、本科研の成果による論集の刊行に向けて検討をおこなう。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた調査が想定外の状況が生起したため、残念ながら調査ができなかった。 助成金の未使用額については、平成26年度において調査費用として使用し、当初の研究計画に沿うかたちで調査を津進める。
|
Research Products
(16 results)