2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ文学の可能性と限界―統一性と多様性の相克をめぐる地域文化的研究
Project/Area Number |
24320060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 洋二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90134402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 まさみ 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60207719)
アルヴィ宮本 なほ子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20313174)
鈴木 啓二 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70187722)
足立 信彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10175888)
安岡 治子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90210244)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イェイツ / アイルランド / 文明 / 古典古代 / ロマン主義 / 宗教思想 / ラテンアメリカ / ルネサンス |
Research Abstract |
研究初年度の本年、資料収集、研究会・展示会の開催、講演会全てに関して、本研究はほぼ予定通り計画を実行できた。 (1)国内外で、基本的な資料の購入・収集を行った。 (2)5月12日~7月1日に、東京大学駒場博物館において、「WB.イェイツとアイルランド」展を開催し、関連行事として、日英語による詩の朗読と演劇の上演を行った。6月にはダブリン大学トリニティ・カレッジ名誉教授テレンス・ブラウン博士を招聘し、院生セミナーおよび講演会を行った。 (3)研究代表者及び研究協力者二名が海外に渡航し、資料調査及び学会発表を行った。 (4)9月には、本研究メンバーによる研究会を発足させ、第一回会合を開いた。 以下が、各メンバーの今年度の活動の詳細である。 石井は平成24年8月にフランスに渡航し、パリのフランス国立図書館で、19世紀ヨーロッパとフランス文学に関する資料調査をおこなった。また、雑誌下ふらんす」に「作家の肖像」と題する連載記事を執筆した。中尾は上記(2)の展覧会、詩の朗読、演劇上演、講演会の全てについて、企画・準備・監修にあたったほか、海外で招待講演を行った。アルヴィは、オーストラリア、ニュージーランドの州立図書館、大学図書館でイギリス・ロマン主義の南半球資料を収集し、イギリス文学のヨーロッパを超えた地域への影響についての研究を行った。鈴木は、ヨーロッパにおける文化と文明の概念についての調査・研究を行ったほか、本科研全般の活動を統括した。足立はフランスとドイツを訪れて、ヨーロッパ文学に共通して登場する古典古代のモチーフについての資料の収集を行った、安岡は、ロシア文学、ロシア宗教思想関係の資料を収集・購入し、論文「ロシア文学における東と西」を執筆した。齋藤は現代メキシコ人作家の小説を翻訳出版し、国境や地域の境界を自由に超えて創作活動するラテンアメリカの作家たちについての考察を進めた。竹村は、16~17世紀スペインの作家ケベード、17世紀メキシコの女性詩人・修道女ソル・フアナ、19世紀キューバの詩人・独立運動家マルティに関する文献資料の収集を行った。村松は、イタリア文学と翻訳に関し研究成果を著作にまとめ、新たな研究成果を講演および論文の形で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1、展覧会、講演会、研究会など、予定していた事業がほぼ計画通り実現できた。2.海外渡航もほぼ計画通りに行われ、期待通りの成果が得られた。3。各々のメンバーは、本研究の課題に即して、着実に業績を残している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、本研究は、当初の予定通りに計画を遂行していく方針である。研究計画の大きな変更は考えていない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していたマイクロリーダー・プリンターの購入、マイクロフィルムの購入などを見送ったために次年度使用分助成金が生じた。繰り越された研究費は、次年度研究費と合わせて、大型資料購入等に充てる予定である。
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Research Products
(21 results)