2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
阿部 賢一 立教大学, 文学部, 准教授 (90376814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野町 素己 北海道大学, スラブ研究センター, 准教授 (50513256)
小椋 彩 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (10438997)
井上 暁子 北海道大学, スラブ研究センター, GCOE共同研究員 (20599469)
加藤 有子 東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (90583170)
越野 剛 北海道大学, スラブ研究センター, 准教授 (90513242)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 外国文学 / 東欧文学 / 移動文学 |
Research Abstract |
初年度の本年度は、2012年7月に立教大学で初回の会合を開催し、研究方針・手順について確認した。 またロネル・アレグザンダー教授の講演会「Borders and Identity in Post-Breakup Yugoslavia:Is Ivo Andric Still Relevant?」(2012年11月、立教大学)、ポーランド作家オルガ・トカルチュク氏の講演会(2013年3月、立教大学・同志社大学)、朗読会「中欧文学の夕べ」(同3月、東京大学)を開催し、東欧文学を多面的に検討する機会を共有した。 本年度は各自のフィールドでの現地調査を中心に実施し、次年度以降の共同研究の基礎的な研究を進めた。具体的には、阿部がルーマニアおよびブルガリアでロマ作家および少数言語の作家に関する資料収集と現地調査を行った。野町は、セルビア及びルーマニアのバナト地方を訪問し、バナト・ブルガリア語で執筆する作家たちのアイデンティティと言語観に関するインタビュー調査の研究成果の一部をASEEES年次集会にて開示し、出席者とさまざまな意見交換を行った。越野は、ポーランドと国境を接するベラルーシ西部の調査旅行に参加し、ポーランド系の知識人から「東欧」のイメージに関してインタビューを行った。小椋は、ポーランドの現代作家トカルチュク氏の講演会・朗読会を企画したほか、同氏の「中欧文学」概念について考察を進めた。加藤は、ポーランドの現代作家アンジェイ・スタシュクの紀行エッセイを研究したほか、中欧という概念や西欧中心の「ヨーロッパ」像を問い直す観点から書かれた、中欧・バルカンをめぐる旅行記の一部を翻訳し、解説を添えて刊行し、研究成果は論文として発表した。井上は、オーラルアーカイブ作成のため、ドイツ在住ポーランド人作家を訪ね、「東のイメージ」についてインタビューを行った。 これらの成果を次年度以降共有かつ多面的に検討する機会を設ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
講演会を複数回開催し、「東欧」にまつわる言説を検討する機会を得たほか、各自の現地調査もおおむね予定通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は共同の現地調査および国内での研究会を開催し、最終年度は国際シンポジウムを開催し、研究成果の共有を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者・分担者各自の現地調査のほか、オーラル・アーカイブの整備を本格化し、データの公開準備を行う。
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Research Products
(26 results)