2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320065
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鷲見 洋一 慶應義塾大学, 文学部, 名誉教授 (20051675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 尚 青山学院大学, 文学部, 教授 (10339517)
井上 櫻子 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (10422908)
真部 清孝 慶應義塾大学, 文学部, 講師 (40704250)
小嶋 竜寿 慶應義塾大学, 文学部, 講師 (50704269)
逸見 竜生 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60251782)
隠岐 さや香 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60536879)
小関 武史 一橋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70313450)
寺田 元一 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (90188681)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | メタデータ / 百科全書 / 18世紀 / 事典 / 情報通信工学 / 啓蒙主義 / 書誌学 / 電子化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の概容は、ディドロ=ダランベール編集になる18世紀フランスの啓蒙思想を集成したと言われる大事典『百科全書』について、「典拠メタデータ情報」を抽出・網羅してデータベース化し、この巨大事典の生成過程に光を当てることにある。作業手順は以下の通りである。 1:高解像度で精度保証された『百科全書』本文17巻16000頁余のファクシミリ写真画像作成。 2:事典全巻の項目ごとに抽出した「典拠データ」情報データベース構築。 3:フランスの専門家チームとの協同作業により、コラボレーション型WEBプラットフォームの開発を進め、いずれはデータベースを公開する。 以上3層にわたるシステムを構築することが本研究の概容である。典拠データとは、膨大な数に上る『百科全書』全巻の各項目について、執筆にあたり著者が依拠したと思われる文献や資料が、項目テクスト中に明示されているものを指して言う。明示されている限りにおいて、それらを採録し、「正規化」してデータベースにするというのが私たちの方法である。ネットですでに公開されている数種の『百科全書』電子版と違い、本研究の独創は、16000頁を超える事典全体の全テクストを、文系研究者が協力して丹念に読み込む作業にその基盤を置いていることで、世界でも類例のない難事業である。 さらに加えて、月例の「『百科全書』研究会」を中心とした研究集会の開催。研究集会の蓄積やメタデータ採取作業の経験などを、査読付き研究論文集の形で刊行するという活動が中心となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概容」のうち、1についてはすでに慶應義塾大学所蔵『百科全書』全巻のデジタル撮影が完了している。画像は現在の技術でこれ以上は望めないほどの高精細を誇るものであり、間違いなく世界に出回っている『百科全書』画像の中で最高品質であると断言できる。2に関しては、「典拠情報」メタデータを求めて『百科全書』のテクストを綿密に読み、特定の基準に基づいてデータを抽出する方法を徹底し、現在本文第1巻から第4巻、第5巻の前半と第8巻のデータ抽出が終わっている。目下は、採取したデータの「正規化」作業に取りかかっている。 3のフランスチームとの協同作業は、昨年度に続いてテレビ会議を続行し、インターネットでの情報交換を経て、先方が構築している『百科全書』校訂版予備サイトに若干の「注釈」を寄稿することができた。いずれの段階も、予定を上回るペースで進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の作業を継続して遂行する。 1:慶應義塾大学において月例の研究集会を開催し、『百科全書』項目の「会読」や報告会を介して切磋琢磨を心がける。若手研究者の教育や養成にも力を入れる。 2:研究冊子『「百科全書」・啓蒙研究』第4号・第5号を刊行する。第4号は7月にロッテルダムで開催される国際18世紀学会での各自の発表原稿を中心とし、第5号は『百科全書』第1巻メタデータを初めて冊子体のデータベースとして公刊する。 3:『百科全書』本文諸巻のメタデータ抽出と正規化を図る。 4:フランス側との協力体制を強化し、ENCCRE企画の推進につとめる。
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Causes of Carryover |
本企画の最大のポイントの一つは、日本で蓄積されたメタデータを、フランス側が構築するプラットフォームに組み込んで、全世界に発信する作業である。平成26年度は依然としてフランス側がやや立ち後れ、プラットフォーム準備に時間を費やしたため、我々日本人メンバーがフランスに赴いたり、フランス側が来日したりする協議や協働の時期が依然として尚早であると判断され、渡航費を中心とした出費が見合わされた。すべてを平成27年度に持ち越したのである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れていたフランス側の企画がかなり進捗し、いよいよ本年度は動きの激しい活動が見込まれることになった。まず、7月にオランダで開催される国際18世紀学会での成果報告、9月にフランスで催される共同研究の打合会、3月に予定されているフランス人スタッフの来日と協議といった予定が組まれており、必然的に海外出張費の大幅な支出が見込まれる。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Chambers, CYCLOPEDIA2014
Author(s)
IDA Hisashi
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Journal Title
ENCCRE (Edition Numerique Collaborative et Critique de l’Encyclopedie), URL (http://enccre.academie-sciences.fr/),
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed
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[Journal Article] Prospectus 1745 et 17502014
Author(s)
SUMI Yoichi
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Journal Title
ENCCRE (Edition Numerique Collaborative et Critique de l’Encyclopedie), URL (http://enccre.academie-sciences.fr/),
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed
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