2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24320077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梶 茂樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10134751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 信子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (90352955)
古閑 恭子 高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90306473)
品川 大輔 香川大学, 経済学部, 准教授 (80513712)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アフリカ諸語 / 声調 / アクセント |
Research Abstract |
研究代表者の梶は、ニョロ語動詞の変化形の声調を集中的に調査した。名詞では基底において、最後の音節がHになるものと終わりから2音節目がHになるものの2種類があり、それぞれ単独形では…HFと…FL、そして後に何かが続くと…LH、…HLと実現されるが、動詞の変化形ではパターンは2種類であるものの、後に何か続くとHが全く消えてしまう活用形があり、音韻論では処理できない統語的規則が働いていることが判明した。 研究分担者の米田は、タンザニアとナミビアで現地調査を行い、スワヒリ語とヘレロ語に関するプロソディデータを収集した。スワヒリ語については、これまで「後ろから2音節目」と言われてきたスワヒリ語のアクセントが実際には様々な現れ方をしていることを明らかにした。ヘレロ語については、声調と情報構造との関係を調査した。 研究分担者の古閑は、アカン語辞書刊行に向け、これまで収集してきたアカン語アサンテ方言語彙の最終チェックおよび編集を行った。またアカン語アサンテ方言とファンテ方言のデータを整理し比較研究を行った。特に音節構造と声調負担単位の関係について考察した。 研究分担者の品川は、キリマンジャロ・バンツー諸語の声調現象に関して、これまでの調査によって得られたデータと先行研究とを突き合わせ、次年度以降の調査への基盤を整えた。また、キリマンジャロ・バンツー諸語に属するロンボ語が話されるキリマンジャロ州・ロンボ県に短期の現地調査に赴き、声調実現に関する基本的な事実を記述した。この現地調査によって、ロンボ語内部の方言差を確認するとともに、世代間の声調の変異が(おそらくはキリマンジャロ・バンツー諸語の中で最も)大きいことが明らかとなった。語彙的声調、文法的声調ともに、本来のパターンは老年層の発話には認められるものの、若年層と言わず50才代あたりの壮年層でも、声調面での対立がかなり曖昧化ないし簡略化されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究者が担当する研究を確実に行っている。またそれを阻害する社会的要因もなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
各研究者が担当する研究を予定通り実行する。研究計画の変更、また研究を遂行する上での課題等は特にない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費に予定以上の支出があったが、購入が予定されていた図書が出版されず、購入できなかった。またデータ入力を研究者自身で行ったため人件費が予定以下の出費ですんだ。 外国調査、とりわけアフリカでの調査には旅費が多くかかるため、旅費の金額を多くするなど実情に合わせた予算を立てた。
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