2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24320077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梶 茂樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10134751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
品川 大輔 香川大学, 経済学部, 准教授 (80513712)
古閑 恭子 高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90306473)
米田 信子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (90352955)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アフリカ諸語 / 声調 / アクセント |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者の梶は、ウガンダ西部のニョロ語について調査を継続し、ニョロ語語彙集を完成させた。これは単に単語とその意味を記載したものではなく、様々な統語構文とその声調についても詳述したものである。 研究分担者の米田は、9月にナミビアに於いてヘレロ語の声調の調査を行った。特に、語・句レベルの声調と節・文レベルの声調とのあいだに見られる相互干渉について調べた。ヘレロ語には「前主語接辞からHが3つ以上並ぶと2つめ以降のHにはダウンステップが起きる」とい規則があるが、従属節の動詞にこの規則が適用されるか否かを決定するのは主節の動詞のTAMであることが新たに明らかになった。この結果は日本言語学会において報告した。 研究分担者の品川は、8月から9月にかけて東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所において言語研修「チャガ=ロンボ語」を担当し、その過程でロンボ語のネイティブ講師として来日していたMonica Apolinari氏をコンサルタントとして、同言語の声調特徴についても調査した。その成果が2冊のテキストになっているが、声調面については『チャガ=ロンボ語(Bantu E623)基礎語彙集』の冒頭部分で、その出現パターンの概略をまとめた。 研究分担者の古閑は、8月、9月、1月に、アカン語語彙集作成のための追加調査をインフォーマントの居住する東京で行った。語彙集は完成間近であるが、声調や語義の再確認が必要なもの、編集過程で必要となった追加項目などの調査を行った。またアカン語アサンテ方言、ファンテ方言の、主に声調に関するデータの整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および研究分担者が、アフリカのそれぞれの地域において、様々なタイプの声調言語・アクセント言語を調査し、データの収集とその実態の解明を行った。これにより、世界の声調言語には、東アジアの大陸部に見られるタイプのみならず、様々なタイプのものがあることが十分示された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は各研究者がそれぞれの担当地域での言語の調査分析を継続すると同時に、研究の最終年度に当たるため、世界の多くの研究者を招いて国際シンポジウムを開催する。 またアフリカには声調言語・アクセント言語が極めて多く、本研究終了後も様々な手段で研究を継続していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究分担者の古閑は、すでに得ていたアカン諸語のデータ処理を国内で行う必要が生じたため予定していたガーナでの調査を行わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者の古閑は、アカン諸語研究のため分担金を外国旅費に当てる予定である。
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Research Products
(8 results)