2012 Fiscal Year Annual Research Report
魏晋南北朝時期主要都城の「都城圏」社会に関する地域史的研究
Project/Area Number |
24320146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Soai University |
Principal Investigator |
中村 圭爾 相愛大学, 人文学部, 教授 (00047383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 力 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (50299020)
佐川 英治 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00343286)
室山 留美子 大阪市立大学, 文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (20514029)
小尾 孝夫 大手前大学, 総合文化学部, 准教授 (90526675)
永田 拓治 大阪市立大学, 文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (40623393)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 魏晋南北朝 / 都市研究 / 都城圏 / 都城圏の可視化 / 建康 / 南徐州・南豫州 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国都市研究の新たな水準の開拓を目指し、従来の研究の主流であった都市そのものを対象とした研究に加えて、都市周辺社会を視野に入れ、都市を中心とした地域社会全体を研究対象にすることで、中国社会における都市の歴史的位置づけを明確化するところにある。 その具体的方法は、この都市を中心とした地域社会を「都城圏」社会と名付け、魏晋南北朝時代の主要10都市とその「都城圏」社会について、文献史料・考古学的資料を用いつつ、地理学的方法を援用して「都城圏」の可視化とその地理的条件、その地域の社会条件等を比較検討することである。 本年度は、「都城圏」概念の確立を目指し、各自が分担する都市の資史料収集と整理を行った。これらは文献目録・史料集として集成する予定であったが、電子データの交換等によって、代表者・分担者に共有されたと判断されたので、紙ベースの印刷は行っていない。 また、代表者は「都城圏」概念の確立のための理論的検討を行い、当時の社会の地域「風俗」から「都城圏」を具体的に設定する仮説を、打合せにおいて提示した。今後これをより精密にすることで、都市研究の重要論点としてみたい。 さらに「都城圏」社会の空間的設定の可視化のために、衛星写真等を利用した地域図作成の手法を、打合せにおいて実際に試行し、その手法を共有した。 本研究の特色の一つは、これら文献学的作業と「都城圏」を予測する現地の景観的観察を並行することによって、研究をより具体的にするところにある。そのための現地観察を当時の建康と南徐州・南豫州である南京地区周辺において実施し、一定の成果があった。ただ、日中間の政治的条件のために、研究班全員が予定通りの日程で参加できず、予期した成果を十分にあげられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画における現地の景観的観察を、平成24年度には旧建康と南徐州・南豫州にあたる現南京・安徽省・江蘇省の一部で行う計画を立てたが、日中間の政治的状況のため、参加人員と日程を縮小せざるを得ず、景観的観察の成果を十分共有できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い、事業者間の緊密な連携を図りつつ、事業者各自の分担都城の個別研究を推進する。 現地調査については、前年度の反省に立ち、全員によるより効果的な方法を立案する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度の現地調査は、日中間の外交問題(尖閣関連)により、調査日程を変更したため、分担者全員が参加できず、予定の海外旅費の執行も半額程度にとどまった。25年度は全員参加し、調査日程の調整により、より有効な調査を目指す。
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Research Products
(16 results)