2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24330001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 達夫 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30114383)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 基礎法学 / 法哲学 / 公共性 / 正義 / 立法学 |
Research Abstract |
本年度の研究においては、主に「立法理学の法哲学的基礎の深化」と「立法産出装置としての立憲民主主義体制の再編」に関わる諸論点について、研究代表者、連携研究者、研究協力者ならびに研究代表者が委員長を務める日本学術会議立法学分科会メンバー相互の間において、立法理学研究の成果物(学術会議立法学分科会と共同で刊行される予定の全3巻の立法学共著)を念頭に、情報収集と共同討議を行った。 具体的内容としては、メタ倫理学的自然法論に関する論点(2012年6月2日第1回研究会および9月3日第3回研究会)、リベラリズムと善の関係、とりわけ、生命倫理の問題を具体的切り口とした福利論と政治的中立性・反卓越主義の関係という論点(2012年7月14日第2回研究会)、フェミニズム法学において法概念論がいかなる機能・価値を有するかという論点(同研究会)、法の内在的価値・規範的法概念論の射程を検討し、遵法責務の有無を確認するという論点(2012年10月13日第4回研究会および2013年2月16日第6回研究会)、郊外論を具体的素材とした共同体と分配的正義等の検討を行う「公共性」論に関する論点(2012年10月13日第4回研究会)、包括的な世界正義論に関する論点(2012年12月22日第5回研究会)、政治的責務の源泉に関する諸説と法義務との関連に関する論点(2013年2月16日第6回研究会)、ならびに国内的平等主義の立場の批判的検討を通じてのグローバルな平等主義の諸構想の整理と共同体論との関係に関する論点(2013年3月9日第7回研究会)について、それぞれ「立法理学の法哲学的基礎の深化」のための理論基盤の多面的な強化発展の基礎をなすものとして、討議を行った。同時に、特に遵法責務、政治的責務論についての論点は、「立法産出装置としての立憲民主主義体制の再編」における民主主義体制の規範理論的基礎の再検討を念頭に、討議を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初24年度をめどに刊行予定であった立法学共著の刊行が遅れていることを除けば、研究は当初の計画(国際的発信と具体的政策提言に向けた立法理学の法哲学的基礎の深化、および立法産出装置としての立憲民主主義体制の再編)通りに進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、25年度以降は24年度までの成果物である立法学共著の国際的発信と、日本の立法システムの問題点を克服するための具体的改革構想の検討を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
立法学研究の基礎となる文献の購入、ゲストスピーカーの招致、ブラジルのベロ・オリゾンテで開催される予定の第26回IVR世界大会への研究代表者・連携研究者の参加のための諸費用に支出する。
|
Research Products
(17 results)