2012 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ公法学における「ケルゼン・ルネッサンス」の検討
Project/Area Number |
24330010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 篤 大阪大学, 法学研究科, 教授 (70243540)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和彦 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (40273560)
毛利 透 京都大学, 法学研究科, 教授 (60219962)
西 平等 関西大学, 法学部, 准教授 (60323656)
福島 涼史 長崎県立大学, 国際情報学部, 講師 (70581221)
近藤 圭介 京都大学, 法学研究科, 講師 (00612392)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ケルゼン / ルネッサンス / 憲法理論 / 民主制 / 議会制 / 国家の相対化 / ヨーロッパ化 / 憲法裁判所批判 |
Research Abstract |
研究開始直前の2012年3月に、別資金により協力者レプジウスを招請し、共同研究を実質的に開始できたため、(A)「現在のドイツにおけるケルゼン研究の進展・成果を把握する作業」に、見通しを持って、円滑に入ることができた。その見通し(高田が別掲論文にまとめた)をもとに、分担者は、それぞれ、「ケルゼン・ルネッサンス」にかかる文献などを購入し、その現状を、1)方法論、2)民主制論、・3)国家の相対化とグローバル化の視角から分析した。 また、「ルネッサンス」支担者で、協力者のシェーンベルガー、イエシュテット、レプジウス、メラースが、連邦憲法裁判所批判の共著を2011年秋に発表し、それがドイツの公法学において焦点となっていることから、(B)「『ケルゼン』の現代ドイツ公法学における文脈とドイツ公法学の布置の検討」に格好の視角として、連邦憲法裁判所批判を4)として位置付けることとし、前掲書の翻訳にとりかかることとなった。 そして、高田、西がドイツに出張するとともに、ドイツから、協力者のメラース、イエシュテット(プロ・ケルゼン派)、ブムケ(非ケルゼン派)を招請して、共同研究を進めた。この3名以外にも、シェーンベルガー(プロ・ケルゼン派)が別目的で来日していたため、彼と接触し、会合することができた。各分担者の分析、ドイツ人協力者との会合、分担者間での相談を通じて、1)の中の憲法理論の検討、2)の中の民主制論そのものの検討、3)の中のヨーロッパ化・国家の相対化の検討、4)連邦憲法裁判所批判の背景の検討などを、かなり進めることができた。 他に、韓国から崔を招請し、韓国におけるドイツ基礎理論の受容状況、方法論的展開、グローバル化に対する学的対応などについても報告を受け、日独を相対化する視点を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
早々にレプジウスとの共同研究を遂行できたため、(A)が大きく進展した。そして、四名の協力者による前掲書が出版され、ドイツで大きな反響を得たことにより、本共同研究計画が的確であること、今日的意義を有することが実証されるとともに、視角4)を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2012年度で(A)が大きく進展したため、2013年度では(B)に重点をすこしずつ移す。また、1)では社会科学との連関、2)では議会制論、3)ではグローバル化の中のヨーロッパ化以外の側面にも、多く研究時間を費やす。4)については、さらに分析を深める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
推進方策との関係で、協力者ヴァルトホーフ、ドライアーの招請を決定している。そして、高田、毛利、福島をドイツに派遣するほか、予算次第では松本の派遣も検討する。1)、4)の研究を強化すべく、もう一名の協力者の招請を目指す。
|
Research Products
(8 results)