2013 Fiscal Year Annual Research Report
医療費抑制圧力下における診療報酬の適正配分のあり方に関する基礎的研究
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24330014
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加藤 智章 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (90177460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 秀樹 中央大学, 法学部, 教授 (70303576)
石畝 剛士 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60400470)
西田 和弘 岡山大学, 大学院法務研究科, 教授 (70284859)
石田 道彦 金沢大学, 法学系, 教授 (10295016)
稲森 公嘉 京都大学, 大学院法学研究科, 教授 (20346042)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 診療報酬 / 社会保険方式 / NHS方式 / 給付範囲 / 定額払い / 出来高払い / 医療体制 |
Research Abstract |
1 前年度の研究を踏まえ、加藤智章・西田和弘編『世界の医療保障』(法律文化社)を2013年6月に刊行した。この著作を前提とする本研究課題の研究成果について、その一部を2014年秋に開催される日本社会保障法学会第66回秋季大会において、「診療報酬からみた医療保障のあり方(仮)」として報告することとなった。 2 研究計画において想定していた定例研究会(5月、7月、8月、10月および12月)を順調に消化した。このほか、5月研究会では、「今後の日本の診療報酬のあり方-病院機能評価と病院経営の視点から-」というタイトルで、鹿児島精神衛生協会常任理事西元晃氏に講演をしていただき、意見交換と施設見学(鹿児島精神衛生協会・横山病院)を実施した。また特別研究会として、ドイツ社会保障制度に関する第一人者である松本勝明先生を招いて「ドイツ医療保障体制について-診療報酬を中心に-」(6月15日:於北大)、ドイツからB.Schulte博士を招聘して「ヨーロッパ社会法のドイツ医療・介護保険法への影響」(7月15日:於北大)の報告を中心とする研究会を開催し、2014年2月には学会報告に関する研究会を政策研究大学院大学において開催した。 3 日本社会保障法学会第66回秋季大会での報告担当が決定したこともあり、研究会では報告の構成に関する議論と報告内容に関する研究に多くの時間を割くこととなり、検討対象国への派遣はイギリスのみとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討対象国への派遣はイギリスのみに止まったものの、社会保険型検討対象国のドイツについては、精力的な情報収集と意見交換を行った。また、診療報酬体系の分析と論点の整理、各国診療報酬制度に関する情報収集、分析軸と検討仮説の提示とその共有化に向けて、定期的な研究会を順調に消化し、専門家の招聘により先端的な知識の共有化も実現することができた。さらに、研究分担者等との意見交換や情報提供も活発に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度(平成27年度)に予定していた国際シンポジウム・学会報告による研究成果の社会還元という予定の一部に変更が生じたため、今年度は、研究の焦点を前半と後半とに分けて、精力的に研究活動を行う。 前半は、学会報告の準備作業と学会報告の成功に全力を傾ける。 後半は、最終年度に予定されている国際シンポジウムの準備や研究成果の公表に向けた検討作業を行うと同時に、昨年度実施することのできなかった社会保険型諸国に対する現地調査を精力的に実施する。 これらの作業に注力する一方、学会報告のための研究会などを通じて、各国の医療供給体制に関する論点整理を行うとともに、NHS方式と社会保険方式の論点に関する整合性を探究し、日本を中心に据えた比較法的な検討視点の提示を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度における学会報告における報告構成の検討に伴い、各国が抱える需要と供給、両サイドの問題点の洗い出しと論点の共通化に思いのほか時間がとられたため、効果的かつ効率的な現地調査のための準備作業に着手できなかったことと、電子メールやドロップボックスの効率的な利用による経費の節減・効率的な旅費の使用により、若干の未使用額が発生した。 この未使用額については、実施することができなかった社会保険型諸国への旅費に充当するとともに、平成25年度以上に研究会を実施するための旅費などの諸経費と、特に学会報告終了後に予定される現地調査のための旅費として使用することが予定されている。
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Research Products
(34 results)