2014 Fiscal Year Annual Research Report
二大政党化の進展と政策対立の停頓:選挙制度改革以降の有権者-政党関係の変容
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24330045
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
S・R Reed 中央大学, 総合政策学部, 教授 (10256018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 愛郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30457816)
荒井 紀一郎 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (80548157)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 選挙研究 / 日本政治分析 / 政治過程論 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画の最終年度である平成26年度は、これまでに実施してきたフォーカスグループインタビュー、ウェブ調査、郵送調査および候補者調査から得られた知見を整理することで、現代日本における有権者-政党間の政策対立軸の全容を明らかにすることを試みた。分析の結果、今日の日本の有権者は、彼らの政策選好のタイプによって大きく5グループに分類できることがわかった。 以下、主要なグループの特徴について簡潔に述べていくと、まず、もっとも規模の大きいグループ(約27%)に属する有権者は、景気対策や中小企業振興、公共事業、そして原発再稼働や自衛隊の拡充について肯定的にとらえている一方で、永住外国人の地方参政権や移民の受け入れには明確に反対している。このグループは、自民党の政策位置との相関が高い。次いで大きな割合を占めているグループ(約20%)は、生活保護受給の厳格化や未納者への年金支給制限、原発再稼働、そしてTPP参加に賛成しており、政党との関係ではみんなの党の政策位置との相関が高い。そして、3番目に大きな割合を占めるグループ(約16%)に属する有権者は、株式会社の農業参入解禁や生活保護給付水準の引き下げ、高齢者の医療負担引き上げ、TPP参加に賛成し、公共事業や道路網整備、農林水産業振興予算の増額などに対しては反対の立場をとっている。また、このグループの政策選好と相関が高かった政党も2つめのグループ同様みんなの党であった。 このように、個別の争点についてはグループ間で鋭く対立している部分があることが確認できたものの、「保守-革新」や「小さな政府-大きな政府」といった従来の確認されてきたような有権者を2分する対立軸は見いだされなかった。 これらの成果は、2014年10月に開催された日本政治学会で報告され、現在、国内外の学術誌に掲載するための準備を進めている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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