2014 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害の早期診断・早期介入システムの拡大と効果査定
Project/Area Number |
24330201
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
立元 真 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (50279965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正二 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (30107205)
児玉 由紀 宮崎大学, 医学部, 准教授 (30305081)
戸ケ崎 泰子 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (40300040)
布井 博幸 宮崎大学, 医学部, 教授 (50218260)
鮫島 浩 宮崎大学, 医学部, 教授 (50274775)
武井 優子 宮崎大学, 医学部, その他 (00727886)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 乳幼児版ペアレント・トレーニング / 予防介入 / 個別施行のペアレント・トレーニング / 周産期におけるリスクエピソード / 母親の虐待リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
1)『乳幼児期早期(1~3歳)の認知・行動発達尺度の開発し妥当性・信頼性の検討を試みる』 については, 25年度までの作業過程の中で,保護者評定による1~3歳児の養育スキル尺度,養育の認知に関する尺度を作成した。また,子どもの行動評価については,「愛着の発達尺度」に関して,臨床上意味のある評価尺度を作成できる可能性が残されているため,26年度もデータを収集した。幼児期の子どもについては,認知課題遂行時における課題成績,時間,脳血流の変化を用いて発達障害の特性の検出を試み,発達障害や未熟児性の発達障害の鑑別のためのデータ収集を試みてきた。今年度は,子どもが認知課題の解決処理を行う過程における注意機能の変容を検出するために比較的簡便な眼球運動の測定装置を導入したが,鑑別尺度の信頼性の検討については事例をさらに蓄積していく必要がある。 2)『早期版(1~3歳)PTの開発(24~25年度)と効果検証(25~28年度)に関しては,25年度までにプログラムの概略を完成し,26年度に一部修正行い,集団施行のプログラムについて本格的な効果検証の作業を行っている。 3)PTを核にした介入システムの,様々なリスクエピソード要因毎の効果検証(27~28年度) に関しては,乳幼児版ペアレント・トレーニングと,すでに稼働している幼児版と小学生版のプログラムを個別に施行した事例について,周産期のリスクエピソードの収集を継続している。 4)グループ形式の予防介入プログラム(幼児版・小学生版)プログラムのFeasibility(実行可能性)の検証(25~28年度) については,すでにある程度のデータが収集されているが,周産期のリスクエピソードの情報も加えてさらにデータ収集を重ねた。また,保護者の養育行動や,保護者のストレス反応の単独の評価に加えて,それらを総合した(虐待)リスクの観点からの検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように,研究計画はおおむね順調に推移している。 研究遂行の中で,幼児期の子どもの発達障害を早期に査定する方法として,従来用いていた「子どもの行動傾向」の評価に「身体感覚評価」を加えて査定する方向の知見を得た。この知見は,大きな研究計画の変更とまではいかないものであるが,有用なアプローチであると考えられるので,従来の,認知科学的,また脳科学的なアプローチに,この新たな方向性を加えて,発達障害を早期に査定する方法の開発を研究の精度をさらに高めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
1)『乳幼児期早期(1~3歳)の認知・行動発達尺度の開発し妥当性・信頼性の検討を試みる』 については,子どもの行動評価の「愛着の発達尺度」に関してデータ収集を継続していく。幼児期の子どもについては,認知課題遂行時における課題成績,時間,脳血流の変化,および眼球運動測定を用いて発達障害の特性の検出などの認知科学的,また脳科学的なアプローチに加えて,新たに得た知見である,「子どもの行動傾向」の評価に「身体感覚評価」を加えて査定するアプローチも加えて行う。 2)『早期版(1~3歳)PTの開発(24.25年度)と効果検証(25~28年度)に関しては,26年度に一部修正行い,集団施行のプログラムについて本格的な効果検証の作業を行っている。27年度からは,集団施行の効果検証に加えて個別施行の効果検証の作業も加えていく。 3)PTを核にした介入システムの,様々なリスクエピソード要因毎の効果検証(27~28年度) に関しては,上記の乳幼児版ペアレント・トレーニング,幼児版と小学生版のプログラムを個別に施行した事例について,周産期のリスクエピソードの収集を継続していく。 4)グループ形式の予防介入プログラム(幼児版・小学生版)プログラムのFeasibility(実行可能性)の検証(25~28年度) については,すでにある程度のデータが収集されているが,周産期のリスクエピソードの情報に,さらに虐待リスクの概念も加えてさらにデータ収集を重ねていく。
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