2012 Fiscal Year Annual Research Report
ミューオン原子を用いたレプトンフレーバーを破る実験の提案
Project/Area Number |
24340044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 丈 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60322294)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミューオン原子 / レプトンフレーバー / 稀過程 / 世代の混合 / ヒッグス |
Research Abstract |
レプトンフレーバーの破れを間接的に推定するため、超対称標準模型においてレプトンの世代混合を入れた場合に、元素合成の予言がどのように変わるかを計算した。 超対称標準模型において、タウレプトンの超対称性による相棒粒子であるスタウが暗黒物質であるニュートラリーノと質量において強く縮退する場合、スタウは長寿命となり元素合成に影響することはよく知られているが、従来の研究ではレプトンの世代混合は導入されていなかった。ニュートリノ振動などを考えるとこのような状況は不自然であり、そこでそれを導入してその影響について調べた。 その結果、世代の混合の影響は大変大きく、ほんの少ししか入れられないこと、しかし入れることによって実験値との一致が良くなることを確認した。 一方で、新しい物理の代表格であり、現在一番熱い話題であるヒッグス粒子について、見つかっている粒子が実はヒッグス粒子ではない可能性について調べた。具体的には、電荷を持たない中性のスカラー粒子を加えた模型を考え、それがLHCで見つかっている新粒子である可能性について調べた。 研究当初は、実は当時見つかっていた粒子はそのような粒子のみからできているとしてもむ矛盾であることが示せたが、具体的に発表する段階になって新しいデータを加えると、いわゆるヒッグスとその新粒子の混合状態として考えるのが最適であることがわかった。さらに、この模型においてはほかにもトップ粒子に対応する新粒子が必要となるため、世代の混合の影響もこれまでのものは異なり新しいフレーバーの破れを出すことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた研究支援者が着任できないことになり、ほかの方を探すことになったため、研究の進展が当初の想定より遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
波動関数を数値的に作成し、反応率を求める。その際、効率的に計算するために群論の知識を今まで以上に活用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究支援者の雇用が遅れたため、繰り越しが出たが、遅れを取り戻す意味からも、必要に応じてもう一名短期で雇用し研究を推進する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Minimal Dilaton Model2012
Author(s)
Tomohiro Abe, Ryuichiro Kitano, Yasufumi Konishi, Kin-ya Oda, Joe Sato. Shohei Sugiyama
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Journal Title
Physical Review
Volume: D86
Pages: 115016-1-12
DOI
Peer Reviewed