2014 Fiscal Year Annual Research Report
中―高速域における断層の摩擦化学反応過程と断層強度弱化の機構解明
Project/Area Number |
24340104
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 昭人 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90324607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 亮 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10324609)
下林 典正 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70235688)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非晶質シリカ / 摩擦 / 断層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は特に,交付申請書に記載の以下の項目について研究をおこなった:(1)珪質岩石の中―高速摩擦特性の解明+摩擦生成物質のレオロジー性質の解明,(2)摩擦表面の物質解析,および(3)珪質岩石の高速弱化機構モデルの構築.以下,項目ごとに成果概要を述べる. (1)統合国際深海掘削計画 (IODP) のコスタリカ地震発生帯掘削プロジェク(Expedition 334 Scientists, 2012)において採取されたココスプレート上の珪質堆物質を用いて,含水条件下における摩擦実験を行った.その結果,珪質・石灰質軟泥の摩擦速度依存の性質が,数mm/sより高速になると負から正になることが明らかになった(Namiki et al., 2014).また,珪質・石灰質軟泥から抽出した非晶質シリカの速度ステップ時の摩擦挙動が,これまでに報告されている断層物質と異なるものであることが明らかになった. (2)高速弱化の性質を示すチャート中の断層表面を,集束イオンビーム加工観察(FIB)装置を利用して切り出し, 透過型電子顕微鏡(TEM)下で観察した.観察には,垂直応力1.5 MPa, すべり速度104 mm/sの条件下での摩擦実験後のチャート試料を用いた.その結果,断層表面に,厚さ ~数100 nm 程度の非晶質シリカの薄層が形成されていることがわかった.また,断層面上のロッド状物質(rolls)は,この非晶質シリカ薄層上に接して存在し,直下の薄層と同様に非晶質シリカから成ることが明らかになった. (3) 本研究により,珪質断層の高速摩擦においては,摩擦化学反応により断層面上に水和化した非晶質シリカの薄層が形成され,固体接触状態の摩擦面が非晶質シリカ層で分離された状態に変化し,この薄層の剪断変形を示唆するroll形成を伴いながら断層ガウジが成長するという摩擦の素過程が明らかになった.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Fluid-rock interaction recorded in the black fault rock in the Kodiak accretionary complex, Alaska2014
Author(s)
Yamaguchi, A., Ishikawa, T., Kato, Y., Nozaki, T., Meneghini, F., Rowe, C. D., Moore, C., Tsutsumi, A. and Kimura, G.
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Journal Title
Earth, Planets and Space
Volume: 66
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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