2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数の機能をもつ星型ポリマーのドミノ精密合成:混ぜるだけの革新的ワンステップ合成
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24350059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金岡 鐘局 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10275167)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 星型ポリマー / ドミノ合成 / ワンショット合成 / 刺激応答性 / リビング重合 / カチオン重合 / ビニルエーテル / スチレン誘導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、フッ素溶媒を用いた二相系によるブロックコポリマーまたは星型ポリマーのワンショット合成、様々な分解性星型ポリマーの合成を検討し、また、温度応答性ブロックコポリマーフィルムの構造について調べた。 1.二相溶媒系でのワンショット合成法 溶媒に、ヘキサンまたはトルエンと、ハイドロクロロフルオロカーボン系溶媒を用いた二相系によりブロックコポリマーの合成を検討した。たとえば、上層のトルエン層にイソブチルビニルエーテル(IBVE)、下層のフッ素溶媒層に極性ビニルエーテル(VE)を溶解し、上層に静かに触媒を添加して重合を開始する。上層のIBVEの重合が終期に達したところで激しく撹拌を開始すると、下層の極性VEがスムーズに消費され、分子量分布の狭いブロックコポリマーを得ることに成功した。 2.様々な分解性星型ポリマーの合成 VEと共役アルデヒドの混合溶液のカチオン共重合で、主鎖にアセタール結合を有する分解性ポリマーがワンショットで得られる。その重合終期に二官能性VEを添加し、アーム完全分解型星型ポリマーを得た。また、枝鎖の中央付近に共役アルデヒドモノマーを導入することで、特定位置に分解点をもつ星型ポリマーを得た。 3.温度応答性ブロックコポリマーフィルムの構造 オキシエチレン鎖を含む温度応答性セグメントを有するジブロックコポリマーはフィルムを形成し、温度に応じて濡れ性を変化させる。そのフィルム構造をDSC、XPSを用いて調べたところ、表面には主に温度応答性セグメントが存在していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二相系による反応を実現し、分解性星型ポリマーなど種々の機能性星型ポリマーの合成も達成した。また、星型ポリマーのモデル、比較対象となるブロックコポリマーから生成したフィルムの表面構造解析もすすんでおり、合成法の拡張、キャラクタリゼーションの両面において進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、二相溶媒系での星型ポリマーの合成法の確立、温度応答性星型ポリマーの水-有機溶媒層間における可逆的移動、機能性星型ポリマーフィルムの表面機能制御およびキャラクタリゼーションの検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画していた高額の消耗品(GPCカラム等)を購入する必要がなくなり、残金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、高額消耗品の購入に加え、国内の学会(札幌、仙台など)、国際学会(2016年3月アメリカ化学会など)の参加費用、旅費等で支出が多くなると見込まれ、今年度内に予算を消費できると考えている。
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Research Products
(30 results)