2013 Fiscal Year Annual Research Report
半導体エレクトロニクスとプラズモニクスの融合による次世代情報伝達回路の創製
Project/Area Number |
24350104
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 晃司 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50314240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 俊介 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20378805)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面プラズモン / プラズモニクス / 導電性酸化物 / 導電性窒化物 |
Research Abstract |
半導体電子回路の集積密度は飽和を迎えつつあり,これを克服する一つのアプローチとして速く信号を伝えられる光回路を組み込むことが提案されているが,光の回折限界により光回路を微細化された電子回路に組み込むことは困難である。本研究では,高速性と微細性を兼ね備えた次世代情報伝達・処理回路の要素技術を開発するため,電子と光を結び付ける技術として金属/誘電体の界面に局在する電磁モード,すなわち表面プラズモンポラリトンに注目している。 これまで,金属層としては金や銀などの貴金属が用いられてきたが,貴金属には吸収損失が大きいという欠点がある。 平成25年度では,貴金属代替材料として導電性酸化物や導電性窒化物のポテンシャルを明らかにするため,錫を添加した酸化インジウム(ITO)および窒化チタン(TiN)のエピタキシャル薄膜に対して,全反射減衰法による反射率測定によりプラズモニック特性を評価した。その結果,薄膜成長条件を最適化することにより,ITO薄膜は近赤外(1500nm付近),TiN薄膜は可視域において低損失プラズモニック材料となることがわかった。加えて,TiN薄膜については,薄膜上に蛍光色素を含む層を塗布して基板/薄膜/色素膜の3層構造を作製し,プリズムを介して光励起による発光現象を観察した。その結果,色素からのエネルギー移動により表面プラズモンポラリトンが励起され界面を伝搬する様子が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表面プラズモンポラリトンによる高速性と微細性を兼ね備えた次世代情報伝達・処理回路の実現には,吸収損失は大きな問題である。加えて,貴金属のような高価な原料を必要とする材料系の利用は避ける方がよい。平成25年度までの研究において,低損失のプラズモニック材料として汎用の酸化物や窒化物を活用できる目途がつき,さらに,発光材料と組み合わせてエネルギー移動による表面プラズモンポラリトンの励起が確認され,当初予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定通り,導電性酸化物および導電性窒化物のナノ構造を作製し,光活性種との複合により電場応答型デバイスを試作する。
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Research Products
(12 results)