2014 Fiscal Year Annual Research Report
炭化珪素基板上へのⅢ族窒化物の超高品質コヒーレント成長の基礎とデバイス応用
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24360009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須田 淳 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00293887)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 窒化アルミニウム / 炭化珪素 / 分子線エピタキシー / 結晶成長 / 転位 |
Outline of Annual Research Achievements |
AlN/GaN超格子のコヒーレント成長の限界を明らかにすることはデバイス応用上極めて重要で有り、本年度はこの点に特に注力して研究を行った。MBE成長はV/III比がほぼ1の状況で成長を行う、一方、MOVPEでは十分なアンモニアがありV/III比は数百から数千となる。MOVPEの場合はAl,Gaが直ちに取り込まれるためAlN/GaN積層構造の作製は用意だが、MBEの場合、AlがGaに対して優先的にAlNを形成するという性質があり、AlN上のGaN極薄膜の成長は困難を極めた。つまり、AlN表面に微量なAlが残っているとGaを供給しているにもかかわらずAlNが形成されてしまう。V/III比をコントロールすることによりGaN極薄膜成長に成功した。また、格子緩和メカニズム解明のためGaN上にAlNを成長してAlNの歪み状態や転位を調べることを行った結果、5BLのGaN上ではAlNの歪み状態が変化し、GaN上でのみAlNに多数の転位が生じていることが明らかになった。この手法を用いることでAlN/GaN超格子の緩和過程を詳細に調べることが可能になる。また、AlN/GaN超格子の電気的特性評価も一部試みた。SiCの絶縁性が重要であることが判明し、SiC基板に特別な工夫を行った上でAlN/GaN超格子を成膜する必要性を明らかにした。来年度の評価にこの知見を生かしてゆく。また、引き続きAlN/SiC界面における転位発生の抑制についても検討を実施した。さらなる高品質化も引き続き模索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非常に困難であった超格子構造の作製と、超格子構造の格子緩和の検出、評価の目処が立ち、系統的な実験に着手することができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に向けて、AlN/GaN超格子の物性評価、デバイス応用の基礎となる結果を出せるべく研究を加速する。
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Causes of Carryover |
一昨年度、装置の故障、トラブルによる遅れがあり大きな繰り越しがあったが、今年度は順調に研究が進み、当初の予定にかなり近づいてはいるが、納期の関係や、外部分析の試料の準備などで若干の後ろ倒しが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度早々に後ろ倒し分の執行は完了予定である。
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