2012 Fiscal Year Annual Research Report
省エネ用半導体の実現に向けたマクロ・ナノ統合結晶成長法の構築
Project/Area Number |
24360012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柿本 浩一 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (90291509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 伸一 産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 研究グループ長 (40267414)
中野 智 九州大学, 応用力学研究所, 技術専門職員 (80423557)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 結晶性長 / SiC / 3次元解析 |
Research Abstract |
本年度は、電磁場を用いた加熱方法によるSiCバルク単結晶の昇華法に焦点を当て,とくに、SiCバルク単結晶の結晶多形の安定性について2次元核生成の観点から不純物添加依存性について検討を行った。今年度新たに開発した計算コードは、結晶表面と原料表面における窒素やアルミニウムの不純物添加による表面エネルギーの変化を原子レベルで腕解析し、これをマクロな総合伝熱解析に用いることにより、以下のように結晶多形の結晶成長条件依存性について世界で初めて解析することに成功した。 本研究では、本研究室ですべて開発した多相流解析コードを用いて、温度、流速、化学種の輸送に関する解析を行っている。さらには、結晶の電気伝導度を制御するためにドープした不純物が、結晶多形の安定性にいかなる影響を与えるかについて検討を行った。6H SiC種結晶のC面上に、各種結晶多形をもった2次元核の発生確率を決定する核形成自由エネルギーを炉内温度と圧力の関数として計算した。これより、高温でしかも低圧力になると各結晶多形のエネルギー差が小さくなり、結果として結晶多形の混合が生じやすい状況となる。また、この中で窒素添加したほうが無添加よりも4H SiC結晶が育成しやすいとの結果が得られており、実験により得られた傾向と一致していることがわかる。すなわち、結晶育成中に窒素を添加すると、C面における4H SiC結晶が安定して育成することが可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原子レベルのエネルギー計算とマクロレベルの統合計算の進捗は順調であり、今後不純物を含む系についても研究を展開し、環境エネルギー対策のさらなる推進に向けたSic高品質の結晶成長が可能になるような研究を推進する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針については、現状のままで推進する予定である。研究計画の変更はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度の予算に関しては、格安運賃等を使用することにより旅費を節約したり、円高のために消耗品の決算額の削減が可能となったために繰越額は673.284円となった。この繰越金とH25年度の予算を使用することにより、本年度の実験用消耗品等の購入を増加することが可能となり、実験回数を増加させて結果の信頼性を向上することが可能となる。
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