2014 Fiscal Year Annual Research Report
超薄膜DLC膜の局所的かつ超高速パルス状加熱に対する熱的安定性に関する研究
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24360063
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
多川 則男 関西大学, システム理工学部, 教授 (50298840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 弘詞 関西大学, システム理工学部, 教授 (40512702)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノトライボロジー / DLC薄膜 / ラマン分析 / 熱的安定性 / レーザ加熱 / 超薄膜液体潤滑膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の本研究で得られた成果は以下の通りである。 (1)表面プロズモン増強ラマン分析の基礎検討を行い、プロズモン増強パターンチップの設計を行い加熱によるDLC薄膜の表面構造変化を計測する方法の検討を進めた。開発したプラズモンセンサーは光学レンズ表面にAgを蒸着し、10nm程度の微細なアイランド状にすることで表面増強効果によりラマン散乱光の強度を増加させることが可能となった。通常のラマン散乱分光ではいわゆるGピークとDピークのDLCに特徴的なピークしか観察されないが、開発したプロズモンセンサを用いることで、DLCに起因する微細なピークが観察されることを確認できた。このプラズモンセンサを用いることで、加熱したDLCの構造変化や摩擦面での構造変化などのデータを採取した。 (2)DLC薄膜上に塗布された3種類の超薄膜液体潤滑膜にレーザ照射による加熱を行い、DLC薄膜と潤滑膜との相互作用による吸着特性を考慮して、ピンオンディスク試験機を使って摩擦摩耗試験を行い、総合的なナノトライボロジー特性の評価を実施した。その結果、レーザ加熱による温度が上昇するとともに、3種類の潤滑膜とも摩擦係数は小さく減少する傾向となるが、それぞれの潤滑剤により決まる転移温度で摩擦係数が逆に上昇することがわかった。これは温度上昇とともに潤滑剤の粘度が小さくなるために摩擦係数は一旦減少するが、転移温度になると潤滑剤分子がDLC薄膜上から蒸発・脱離するために摩擦係数は上昇するためであると考えられる。従って、熱アシスト磁気記録方式におけるヘッドディスクインタフェースにおいてはこの転移温度の高い潤滑剤が有効であるといえる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)