2013 Fiscal Year Annual Research Report
超低消費電力ポリマー3次元光インターコネクションスイッチングデバイスの開発
Project/Area Number |
24360139
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宇高 勝之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20277817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 裕一 早稲田大学, 付置研究所, 教授 (80619536)
松本 敦 早稲田大学, 付置研究所, 講師 (30580188)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光デバイス / 光スイッチ / 光学ポリマー材料 / 光インターコネクション / 光センサー |
Research Abstract |
今年度は研究期間の2年目として、ポリマー光スイッチのサブmWの低消費電力化や4x4規模の多ポート化、さらに3層積層3次元光回路の作製の再現性の向上が目標であったが、その検討の過程で、異種ポリマーを積層した場合にクラックが頻繁に発生するという問題に見舞われた。その原因がコア用のSU-8とクラッド用のPMGIの2種類のポリマーの熱膨張係数の差に伴うベーキング時に発生する歪みが現像時などにクラックとして破壊的に現れることによるものと判断され、解決に向けて種々のベーキングの温度変化パターンを検討した。その結果、昇温・降温ともに温度変化をゆっくりとする事や真空中でのアニールによる解決する見通しを得た。同時に、積層導波路を形成した場合に現れた断面形状の崩れやアライメントずれなどの解決に取り組み、これはアライナを用いた導波路パターン露光時の光源の波長成分を純化することが重要である事を見出し、波長365nmのi線のみを取り出すフィルタを装荷することにより一定の解決の目処を得た。それらの対策の結果も含めて、3層積層導波路の3次元光回路の形成の目処を得るに至った。同時に、これまで目標としていたマッハツェンダ光スイッチを用いた3次元光回路に加えて、積層総数が2層で済む方向性結合器光スイッチを用いた構造を新たに考案した。他方、熱光学効果ポリマー光スイッチの低消費電力動作化について、電極の両側にトレンチを導入し熱閉じ込めを向上する構造について、効果的なトレンチ配置について解析で明らかにし、また実際に作製条件を把握する事ができた。これらの種々の問題点解決を受けて、今後は実用的な3次元光回路及びサブmW以下の低消費電力動作の実現に向けて取り組む予定得ある。またポリマー光デバイス応用として、表面プラズモン共鳴を用いた導波路型クレッチマン構成による光センサーという新規構造を提案し、基本動作及び特性向上の指針を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多層構造作製時のクラック発生の問題の解決に予想以上に時間が取られたが、種々の方法を検討した結果幾つかの方法で対応可能な事を明らかにしたことは大きな副産物成果である。これまでのクラックが入りながらも他の基本的な作製条件は詰められており、今回のクラック問題の解決により目標とする2x2光スイッチの定評費電力化や4x4の大規模化、そして3次元光回路素子の実現に向けて取り組む道筋が見えたため。また高感度光センサーへの応用も展開した。
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Strategy for Future Research Activity |
2x2光スイッチのサブmW動作についてはトレンチ構造の作製条件も把握しており、4x4の多ポート構造作製の素子設計も終えており、作製に鋭意取り組む。さらに3次元ポリマー光回路の実現に向けて、実際のシステム適用を想定した入出力構造を具体的に検討し、それを含めて作製する必要がある。具体的には、面方向入出力型及び端面入出力型それぞれについて検討を進める予定である。ポリマー光デバイス応用として、導波路型クレッチマン配置表面プラズモン共鳴型光センサーの高感度化、高機能化を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
作製工程において、異種ポリマーや電極作製時にポリマーにクラックが入るという深刻な問題に直面し、その解決に時間を要し、その後の研究計画がやや遅れたため。 クラックの問題も複数の方策で解決可能な見通しを得たため、光スイッチの低消費電力化、多ポート化や3次元光回路化のために必要なポリマー材料や作製用実験部品、測定用部品、及び成果発表用出張費などに使用する予定である。
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Research Products
(5 results)