2012 Fiscal Year Annual Research Report
多様化するパーソナルモビリティの共存性評価システムの開発と道路・エリアネジメント
Project/Area Number |
24360203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
金 利昭 茨城大学, 工学部, 教授 (40205050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 英生 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20166755)
吉田 長裕 大阪市立大学, 工学研究科, 講師 (20326250)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パーソナルモビリティ / コンパティビリティ / 共存性 / 自転車 / セグウェイ / 道路再配分 |
Research Abstract |
本年度の主要な研究成果は、以下4点である。 1)Webページ検索、パンフレット収集によって新しいパーソナルモビリティの分析データを収集・整理するとともに、交通関連の法制度(車両法、道路構造令、道交法)におけるパーソナルモビリティの位置づけと課題を整理した。また、文献収集によって、海外におけるパーソナルモビリティの法的位置づけを把握した。その結果、パーソナルモビリティの多様な出現動向が判明し、道路交通の共存性の問題点・課題が大きいことが明らかとなった。 2)セグウェイの挙動について実験を行い、セグウェイの特徴や特性を把握し、特性値を設定するとともに、公道における走行区分(歩道・車道・自転車道等)と共存条件(制限速度・免許・装備品・マナー等)を検討し、社会的受容性を検討した。その結果、セグウェイは、共存性分析から「成人の自転車」との共存性が高いこと、模擬実験から歩行者と通行帯を分けた方が良いことがわかった。これより、セグウェイは自転車通行帯を通行するのが共存性と受容性が高いと判断できる。そのため、現在の自転車と同様に車道の左側を走行する場合は、対応策としてセグウェイの走行技術・危機回避の講習、免許制やタイヤの物理的接触防止構造が必要であると考察した。 3)国内では利用が制限されているタンデム自転車について、その利用可能性や通行の安全性を評価するために、視覚障がい者を対象にヒアリング調査および挙動特性を実施した。その結果、利用に関する課題と挙動に関する基礎的な特性を明らかにした。 4)普及が予想される電動二輪車の道路交通環境への適合性を分析するため高齢者・若年者を対象に電動アシスト自転車、原付バイクと同一ルートを走行させ挙動・体感を比較する実験を行った。現在の道路交通環境での中速交通の共存上の課題を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーソナルモビリティの動向を整理し、問題点・課題を明らかにするとともに、代表的なパーソナルモビリティとしてセグウェイ、タンデム自転車、電動二輪車の挙動特性を明らかにした。また、共存性分析ツールを適用して、現在公道走行が認められていないセグウェイの共存代替案を考察した。以上より、研究は概ね、当初予定していた通り推移していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
個別の共存性分析手法(PMCC(Personal Mobility Compatibility Checklist)、満足度分析手法、ストレス分析手法)等を用いて総合的な共存性分析システムを構築し、共存代替案を考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に共存性分析システム及び共存性代替案を構築するにあたっては、当初の予定予算を超える実験や意識調査などが必要と想定されたため、本年度の旅費や謝金を節約して、次年度に繰り越すこととした。
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Research Products
(32 results)