2013 Fiscal Year Annual Research Report
一階柱脚の降伏を避ける工法を用いた鋼構造損傷制御骨組に関する研究
Project/Area Number |
24360222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 祥裕 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60280997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 名誉教授 (90158684)
金田 勝徳 日本大学, 理工学部, 教授 (60439289)
古川 幸 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30636428)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 損傷制御骨組 / 柱脚機構 / リダンダンシー / 二方向地震動 / 制振ブレース |
Research Abstract |
・二方向地震動を受ける場合に柱及び鉄骨柱支点部が弾性保持するための要求性能の把握 昨年度までの研究では,骨組の一構面を対象としているが,骨組には地震動が両方向から入力される。その際,柱に作用する曲げモーメントは,一方向入力に対して45度入力で最大√2倍となりうるものの,地震動の二方向の相関性を考えると,かなり安全側の評価となる。そこで,これまで用いてきた3~9層2~4スパンの鉄骨ラーメン骨組を対象として,入力角度をパラメータとして静的増分解析を行い,梁と柱の降伏時の最大層間変形角や部材崩壊時の最大層間変形角を把握した。45°以外から外力に対しては,大きな外力が作用する構面の梁が降伏し,他方の梁は弾性となるため,各層でねじれを生じること,また45°入力時には,梁に比べて柱が早期の降伏し,その後,崩壊に至るまでの最大層間変形角は低下することを明らかにした。 次に,最大速度を基準化した観測地震動数十波による地震応答解析を行い,両構面の梁から作用する柱のせん断力,曲げモーメントや作用方向を統計的に調べ,柱の要求性能を明らかにした。静的増分解析と同様,梁に比べて柱が早期に降伏し,最大速度75kineでは,柱崩壊する可能性があることを示した。そして,静的増分解析で45°入力の場合以上に,損傷が中柱に集中することから,従来の保有水平耐力設計法では予測できない崩壊メカニズムを形成することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究で用いる部品の値段が高騰していることなどから,基金分を繰り上げる等,研究の遂行に支障をきたしつつあるが,研究全体の成果は極めて順調である。今後,さらに物価の上昇が進行する場合,研究の効率化がさらに求められることになる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通りの進捗状況であることから,計画書に基づいて,「4) 骨組の層剛性・耐力からみた柱の要求性能と弾性通し柱による層間変形抑制効果の検討」を遂行する。 本研究では,縮小模型振動台実験及び有限要素法による地震応答解析を行う。 最初に,地震応答解析により,骨組層数や柱梁耐力比等をパラメータとし,骨組の柱降伏を防ぐための弾性柱の要求性能を明らかにする。そして,地震動レベルと柱が降伏するときの最大層間変形角の関係を把握し,性能設計を確立する。 次に,縮小模型振動台実験により地震応答解析結果を検証するとともに,骨組の損傷メカニズムと弾性柱の要求性能との関係を明らかにする。 ただし,物価上昇により,計画していた部品が必要数調達できない可能性があることから,必要に応じて研究の効率化を進め必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度途中で,試験体製作費の高騰などの理由により,前倒し請求を行い,その多くを使用したが,試験体製作で効率化を図ることで,前倒し請求額以下に抑えることができたため。 前倒し請求しており,年度当初予定よりも使用額を超えていることから,試験体製作で合理化を図る等,経費を節減していく。
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