2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24360229
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 和夫 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50416822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯田 和彦 清水建設株式会社技術研究所, 安全安心技術センター, 研究員 (90416800)
福喜多 輝 清水建設株式会社技術研究所, 安全安心技術センター, 研究員 (20426589)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ダンパー / 振動制御 / 免震 / 制震 / 地震応答 / 適応制御 / 入力地震動 |
Research Abstract |
極く大振幅な地震動が入力した場合に、建物端部が浮き上がりそれまでのスウェイする振動からロッキングする振動形態へと移行する基礎免震構造建物モデルについて、その応答特性を解析的に検討した。浮き上がり後の着座時に生じる衝撃力緩和とエネルギー吸収効果の向上のために脚部に上下方向ダンパーを設置することで応答低減効果が期待できるが、ダンパー量が過大な場合には上部構造の応答が増大する可能性があり、上下方向ダンパーの最適量の把握が今後の研究課題になる。 同じく極大振幅地震動入力時に建物の層間変形を均一化する機能を発揮する、ギャップ付ダンパーの効果を地震応答解析により確認し、本メカニズムにより建物の特定層の変形が進む現象を緩和できることを確認した。また、このメカニズムを実現するための機構として、鋼鈑パネルダンパーにギャップ付剛性付加システムを設置する装置を想定し、基本設計と縮小部分模型実験の基本計画をたてた。このシステムでは、剛性付加により増大する応力を処理するための機構が必要になり、これがコストアップ要因になる。実用化のためにはこれも含めたコストパフォーマンスの向上が鍵となる。このことを考慮しつつ、上記ダンパーに加えて鋼材を用いたアンボンドブレースダンパーにギャップ付剛性付加システムを設置する場合も含めて、装置の基本設計を行った。 上記の二つの構造方式の基本特性を確認する目的で行う小型振動実験モデルについて、装置部分の検討と設計を行った。 以上のうち、二つの構造方式の地震応答特性評価に関する研究については、研究梗概をまとめて日本建築学会に投稿した。また今後の実験内容も含めた研究論文の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析的検討と実用化のための設計的な考察により、新しいアイデアや研究課題が出てきたために、それを取り込むための追加検討を行った。このためにスケジュールがややシフトしてきているが、全体としては当初の予定通りの展開になっていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であり、事前の予備解析と準備を十分にしたうえで構造実験・振動実験を確実に行い、得られた知見を研究論文としてまとめたい。いくつかの成果が見込まれるのでそれぞれの観点での多くの研究発表を行いたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析的検討と実用化のための設計的な考察により、新しいアイデアや研究課題が出てきたために、それを取り込むための追加検討を行った。このために実験の試験体の内容を見直しした。具体的には、構造実験の試験体として異なるダンパー形態も含めて、試験体の全体計画を修正した。 構造実験について、修正した試験体の計画に沿って、実験は当初の計画規模で実施する予定。予算の範囲で試験体のパラメータを調整して実験を実施する。
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