2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高速化量子分子動力学法による希土類元素含有材料理論設計のための基盤研究
Project/Area Number |
24360300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畠山 望 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (50312666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 明 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (50093076)
高羽 洋充 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80302769)
三浦 隆治 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (00570897)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シミュレーション工学 / 構造・機能材料 / 原子・分子物理学 |
Research Abstract |
わが国の各基盤産業に欠かせない希土類元素の本質的役割を電子・原子レベルで理論的に解明し,希土類元素に可能な限り頼らない,あるいはより有効に活用する新たなモノづくり技術を発展させるために,これまで独自に開発してきた従来の第一原理的手法より1000万倍高速な超高速化量子分子動力学法シミュレータについて,希土類元素の電子状態計算収束性を向上させるとともに,希土類含有材料の化学反応ダイナミクス解明を行う.これにより,世界初の希土類元素含有材料の理論設計を指向した超高速大規模量子ダイナミクスシミュレーション技術を構築することを目的としている. 平成24年度は,超高速化量子分子動力学法における占有電子数拘束アルゴリズムの多原子系への拡張と一般化を検討してきた.希土類元素のみならず,特に貴金属元素を含む触媒系に対して超高速化量子分子動力学法の適用可能性を検証していく過程で,電子状態計算部分の省力化により高速化を実現するためのパラメータについて,これを適切に構築することによって,多数の原子であっても精度よく適用できることが明らかになってきた.具体的には,密度汎関数法に基づく第一原理分子動力学法によって求められた結合エネルギーと各原子軌道への電子配分を精度よく再現するように,原子軌道関数の空間的広がりを表すゼータ指数と,原子軌道のイオン化ポテンジャルを,電荷の関数としてパラメータ化することに成功した.実際に,セリウムを含む大規模系のシミュレーションを行い,精度よく高速に計算できることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
次年度に計画していた項目も部分的に前倒しで実施できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,超高速化量子分子動力学法のパラメータについて,第一原理計算では収束が困難な希土類元素についても,熱力学データを参照しながら高精度化を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は,研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり,平成25年度請求額とあわせ,平成25年度の研究遂行に使用する予定である.
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Research Products
(8 results)