2012 Fiscal Year Annual Research Report
資源開発および地圏開発における不確実性リスクの低減に関する研究
Project/Area Number |
24360371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 勝則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70251361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽柴 公博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (60456142)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 岩盤掘削 / 岩盤強度 / 比エネルギー / さく孔 / 寸法効果 |
Research Abstract |
資源開発,トンネル掘削や地表開発などにおいて,岩盤物性の不確実性に伴う掘削工法の選定や設定ミスによる無駄な費用の増大やそれに伴う時間の損失などのリスクを低減することを本研究では目的とする.まず不確実な岩盤物性を岩盤掘削の調査段階などで使用する掘削機械の掘削データから岩盤物性を精度よく把握する手法の確立を目指す.次に掘削ずりの粒度分布を利用することで,岩盤開発の際に問題となる岩盤強度の寸法効果の影響を考慮する手法を確立する.さらに岩盤強度のばらつきを地球統計学の手法で処理し,ばらつき特性を把握する.以上をシステム化することで岩盤物性の不確実性リスクの回避手法の開発を目指す. 本年度は,花崗岩と沖縄沖の硫化鉱を対象にして次の事項を実施した.1)岩盤物性の把握の精度向上を目的として,ロータリハンマの駆動および掘削体積比エネルギーを計測する項目(電圧,電流,掘進速度)を内蔵のバッテリで測定できるように改造し,原位置で自由に岩盤物性を調査できるようにし,原位置でのび掘削体積比エネルギーの測定を行った.この結果と,別途実施したさく岩機でのさく孔特性と比較検討を行った.2)コアボーリングで得られた掘削体積比エネルギーをコア試料の硬軟などと比較検討することによって信頼性の高い岩盤物性の把握を行い,岩盤強度のばらつきに関する検討を行った.3)ビット摩耗に関する検討として沖縄沖の硫化鉱を用いて各種摩耗試験(CERCHAR試験,Mohr試験や旋削試験)を実施し,試験間の関係を検討した.4)破壊時の粒度分布と破砕エネルギーを測定して,両者の関係を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
岩盤掘削では予期せぬトラブルが発生しやすいが,現状では大きなトラブルもなく,順調に研究が進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究方針通り,資源開発および地圏開発における不確実性リスク低減を目的として,いくつかの要素技術による岩盤物性把握の精度向上を行っていき,それらをシステム化することによって岩盤物性の不確実性リスクの回避手法の開発を目指す.
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