2012 Fiscal Year Annual Research Report
果樹バイローム解析に基づく病原未確認重要病害の病原ウイルス解析システムの確立
Project/Area Number |
24380027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
吉川 信幸 岩手大学, 農学部, 教授 (40191556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伝 農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所, 上席研究員 (20355415)
八重樫 元 農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所, 研究員 (90582594)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 次世代シークエンス / バイローム解析 / リンゴ奇形果病 / リンゴ輪状さび果病 / オウトウ芽枯病 / セイヨウナシ粗皮病 / コンティグ / Foveavirus |
Research Abstract |
平成24年度は、リンゴ奇形果病、リンゴ輪状さび果病、セイヨウナシ粗皮病、オウトウ芽枯病の罹病したリンゴおよびオウトウ樹の次世代シークエンスによるバイローム解析を実施した。その結果は次の通りである。 1.リンゴ奇形果病罹病樹にはリンゴステムピッティングウイルス(ASPV), Apple green crinkle-associated virus, Apricot latent virus(ApLV),リンゴステムグルービングウイルス(ASGV),リンゴクロロティックリーフスポットウイルス(ACLSV)が感染していることが明らかになった. 2.リンゴ輪状さび果病にはリンゴステムピッティングウイルス(ASPV),Apricot latent virus(ApLV),リンゴステムグルービングウイルス(ASGV),リンゴクロロティックリーフスポットウイルス(ACLSV)が感染していることが明らかになった. 3.セイヨウナシ粗皮病罹病樹にはリンゴステムピッティングウイルス(ASPV),Apricot latent virus(ApLV),リンゴステムグルービングウイルス(ASGV)が感染していることが明らかになった. 4.4本の芽枯病罹病オウトウ樹(S1-S4)の解析結果から、S1にはリトルチェリーウイルス1(LChV-1),リトルチェリーウイルス2(LChV-2),チェリーえそさび斑ウイルス(CNRMV),チェリーAウイルス(CVA),プルーン萎縮ウイルス(PDV)の5種のウイルスが,S2,S3,S4にはこれら5種に加えてチェリー緑色輪紋ウイルス(CGRMV)が検出された。 5.芽枯病罹病オウトウ樹S3から得られたコンティグ(7671bp)の配列は,Asian prunus virusに近縁な新規Foveavirus属ウイルスに由来すると結論された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H24年度に計画した4種の病原未確認病害のバイローム解析を終了し、それぞれの罹病樹に感染しているウイルスの種類を明らかにした。さらにオウトウ芽枯病罹病樹S3からは新規なウイルスが検出され、Asian prunus virusと近縁なFoveauirus属のウイルスであることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究成果により明らかになったリンゴ奇形果病、リンゴ輪状さび果病、セイヨウナシ粗皮病、オウトウ芽枯病に感染しているウイルスを対象に,ウイルスゲノムの試験管合成を行い、宿主植物への接種実験を実施し、どのウイルスが病原であるかを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費次年度使用額は、前年度の次世代シークエンス解析の経費が予定した額より安価になったためである。これらは、平成25年度に計画しているウイルスゲノムの試験管合成とパーティクルガン接種に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)