2013 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型を考慮したmicroRNA発現制御に基づく薬物代謝能個人差解明の新展開
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24390039
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中島 美紀 金沢大学, 薬学系, 教授 (70266162)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 遺伝子変異 / 個人差 / 転写後調節 / 薬物代謝酵素 / 薬物動態 |
Research Abstract |
昨年度まで、テガフールやファドロゾールの代謝を触媒するCYP2A6がmiR-126*によって制御されていることを明らかにしたが、ルシフェラーゼアッセイや発現細胞株などを用いた実験により得られたデータであった。本年度は、この発現制御機構が実際にヒト肝臓で起こっている現象であるか明らかにすることを目的とし、ヒト肝初代培養細胞およびヒト肝試料を用いた検討を行った。pre-miR-126*やanti-sense miR-126*の導入によりヒト肝初代培養細胞中のmiR-126*発現量を増減させた際、内因性のCYP2A6発現量がそれぞれ低下および増加することを明らかにした。また、ヒト肝20検体において、CYP2A6タンパク質発現量とmiR-126*発現量との間に有意な負の相関関係が認められたことから、ヒト肝臓中のCYP2A6がmiR-126*によって制御されていることが示された。さらに、CYP2A6と塩基配列の相同性が高い偽遺伝子CYP2A7の転写産物にもmiR-126*が結合し得ること、およびCYP2A7はmiR-126*のCYP2A6への結合に対するおとりとして作用し、CYP2A6発現量を変動させる要因となっていることを明らかにした。 さらに、アセトアミノフェンやエタノールの代謝を触媒するCYP2E1がmiR-570で制御されることを見出し、3’-非翻訳領域における一塩基多型変異がmiR-570による発現制御機構に及ぼす影響について今後引き続き検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
得られた研究成果について学会発表を行い、論文も執筆中である。また、次の実験も進行中であり、興味深い知見も得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究成果は論文として発表し、また現在進行中の研究についても論文としてまとめる。
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Research Products
(10 results)