2012 Fiscal Year Annual Research Report
HMGB1を標的分子とする脳外傷・脊髄損傷の治療法開発
Project/Area Number |
24390061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西堀 正洋 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50135943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英夫 近畿大学, 医学部, 教授 (60335627)
劉 克約 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40432637)
和氣 秀徳 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60570520)
伊達 勲 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70236785)
勅使川原 匡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40403737)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HMGB1 / 脳外傷 / 脳腫瘍 / 抗体医薬 |
Research Abstract |
Wister系雄性ラットを用いて、パーカッションインジュリー装置で麻酔下に脳打撃傷害(2.2-2.6Atm)を加え、中等度の神経障害モデルを作製した。受傷直後とさらに6時間後に抗田GB1抗体を尾静脈から投与した。対照動物には、抗KLH抗体を投与した。受傷後3、6、24時間後に経時的にT2強調MRI撮像し脳浮腫を評価した。血液―関門(BBB)の形態を、受傷3時間後に脳を固定し、アストロサイトのエンドフィート腫脹、血管基底膜からの遊離を中心に透過型電子顕微鏡で観察した。BBB透過性亢進の原因になると思われる血管基底膜構造のメタロプロテアーゼによる消化は、MMP-2/9のザイモグラフィーによる酵素活性検出で評価した。脳内炎症関連分子として、TNF-・,iNOS,MMP-2,MMP-9,HIF1・,COX-2,VEGF-A,PAI-1,IL8R,Neutrophil elastaseのmRNA量を、定量的PCRで測定した。神経学的評価は、経時的にロータロッドテストとシリンダーテストを実施した。その結果、抗HMGB1抗体の投与によって脳血管透過性亢進と脳浮腫は85%抑制された。脳内炎症関連因子では、TNF-・,iNosとPAI-1の発現抑制が著明であった。対照動物BBB形態の透過型電顕観察で、受傷後早期からのアストログリア突起の腫脹が明瞭であったが、抗HMGB1抗体の投与によって有意に抑制された。ロータロッドテストとシリンダーテストで評価された運動麻痺神経症状も、抗HMGB1抗体で高い改善効果を示した。一方、組換え体ヒトHMGB1タンパク質の投与は、脳傷害を増悪した。抗HMGB1抗体の有効治療時間帯は少なくとも6時間は得られることを確認した。内因性HMGB1の主要な作用受容体がRAGEであることを、RAGE-、TLR-4-、TLR-2-KOマウスを使って明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳外傷後の脳浮腫に対する抗HMGB1抗体の作用機序を、BBBの保護にあることを明瞭に示し、関連する炎症分子の発現を解析できた。HMGB1の作用する主要な受容体を、受容体候補の遺伝子欠損マウスを用いることで明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
脳外傷後の神経障害の程度をより長期に評価し、抗HMGB1抗体の効果が急性脳浮腫の抑制に留まらず、外傷後神経後遺症の軽減化にも繋がっていることを実験的に証明する。抗HMGB1抗体の効果を脊髄損傷モデルやてんかんモデルに拡大する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月分人件費が見込額を下回ったために、直接経費の次年度使用額7,414円が生じた。平成25年度は、物品費(実験動物・試薬・器具類)1,207,414円、旅費30万円、人件費100万円、共同施設利用料等50万円の使用を見込んでいる。
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Research Products
(22 results)