2012 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモン作用に基づく漢方薬の作用機序解明:抗老化薬の開発へ向けて
Project/Area Number |
24390180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋下 雅弘 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00261975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 純人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20323579)
喩 静 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40431845)
大田 秀隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20431869)
江頭 正人 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80282630)
岡部 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80169135)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 東洋医学 / エストロゲン / アンドロゲン / 老化 |
Research Abstract |
性ホルモン(エストロゲン、アンドロゲン)の加齢性分泌低下に伴って様々な臓器の老化や老年疾患が起こることが、分子機序を含めてわかってきた。そこで、性ホルモン作用があるとされる漢方薬成分の作用について、性ホルモンの作用と対比しながら、様々な系統の細胞とアッセイを用いて分子・細胞レベルで網羅的に解析・分類し、動物実験さらにはバイオマーカーを用いた臨床介入研究へと発展させることが本研究の目的である。 初年度は、生薬成分の性ホルモン作用を検討する前に、エストロゲンおよびアンドロゲン自体の作用について新たな検討を行った。17β-estradiolは増殖因子gas6の転写を促進して血管平滑筋細胞の石灰化抑制作用を発揮すること、testosteroneは老化促進マウスSAMP8の脳血管老化と神経老化を抑制して学習機能を改善させることを明らかにした。また、血管平滑筋細胞の石灰化の過程で発現する遺伝子を網羅的に解析し、高リン刺激によって誘導されるトロンボモジュリンが石灰化促進因子として作用していることを解明した。生薬成分の性ホルモン作用については、検討した成分の中では、エストロゲン様作用を有するとされる芍薬の成分であるpaeoninorinとalbinonn、当帰の成分であるbutylidenephthalide、黄耆の成分であるastragaloside IVに、血管内皮細胞のeNOS活性化と血管平滑筋細胞の石灰化およびアポトーシス抑制作用が認められた。eNOS活性化についてはalbinorinとastragaloside IVに、石灰化抑制についてはbutylidenephthalideに強力な作用がみられた。今後、他の成分も含めて、受容体特異性、細胞特異性について検討し、動物実験へと展開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
性ホルモン作用自体の研究を先行して行ったため、生薬成分を用いた細胞の開始が当初予想したより遅れ、それに伴って動物実験および臨床研究も開始が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞実験系、動物実験系ともに順調に稼働しているので、今年度は研究のスピードを上げて計画通りに実行できる見通しである。
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Research Products
(5 results)