2012 Fiscal Year Annual Research Report
AIMの機能制御による炎症抑制によるメタボリックシンドロームの予防・治療法の開発
Project/Area Number |
24390196
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 郷子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60422276)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | メタボリックシンドローム / 慢性炎症 / AIM |
Research Abstract |
メタホリックシンドロームの各疾患の病態進行の原因となる内臓脂肪の慢性炎症の誘発や持続には、マクロファージが産生する分泌タンパク質AIMが深く関与している。本研究では、AIMがどのようにそのプロセスに関わるかを明らかにし、AIMの制御による病態進行の制御を目標とし研究を行った。H24年度は主に以下の4つの成果が得られた。 (1)AIM機能を抑制する阻害剤の探索 (1)AIMの機能を抑制する阻害剤の候補となる低分子化合物が数種得られた。 (2)抗(マウス・ヒト)AIMモノクローナル抗体を作製したところ、中和抗体の候補が数種得られた。 今後これらを用いて、実際の効能やその副作用をモデルマウスを用いて生体で検証・検討する。 (2)AIMの血中安定性についての解析 AIMは血中でIgM五量体に結合することでその安定性を保っているが、IgMに結合していないAIMは速やかに尿中に排出されることや、IgMに対する結合部位等を解析した。この発見は、AIMの血中濃度制御方法の確立に非常に役立つ知見である。 (3)ヒトAIM血中濃度の測定 AIMと疾患の関連性を疫学的に探索し、疾患の診断や治療予後の判断材料とするために、ヒトAIM血中濃度の測定を行った。より多くのサンプルについて測定可能にするために、ハイスループットAIM濃度測定ELISA系を確立し、他大学および各種病院との連携により、H24年度は約3000人のヒトAIM血中濃度を測定した。今後はさらにn数を増やすと共に、病気や食生活との関連を探索する。 (4)AIMコンディショナルノックアウトマウス(AIMcKO)の作製 マウスにAIM遺伝子欠損を適宜誘導できるようにAIMcKOマウス作製を進めた。AIM遺伝子をloxP配列によって囲んだAIMflox/floxマウスは作製済である。それとタモキシフェン依存的にCreリコンビナーゼが発現するトランスジェニックマウス(B6-CAG-cre/Esr1)を交配し、タモキシフェン投与によりAIM遺伝子を欠損するマウスを作成するためのトランスジェニックマウスのマウス施設への導入が完了した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
阻害剤の探索・中和抗体の作製はほぼ計画通りに進んでいるがcKOマウスの作製の遅れに伴いマウスを解析に多少遅れがみられる一方で、IgMとの結合と安定性の解析は当初予定していたよりも大幅に進行しており、この知見を元にAIMの体内濃度制御の可能性が芽生えた。ヒト血清の測定は非常に順調であり当初予定よりも多くのデータが集積している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は阻害剤(低分子化合物)、中和抗体の検討を進めるとともに、IgMとの結合に着目することで体内AIM濃度調節の系の確立をより進める。
|
Research Products
(10 results)