2013 Fiscal Year Annual Research Report
グレリンの自律神経作用を応用した循環器代謝疾患における橋渡し研究
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24390204
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
岸本 一郎 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (80312221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳留 健 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (00443474)
寒川 賢治 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究所長 (00112417)
赤水 尚史 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20231813)
添木 武 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (60393211)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | グレリン |
Research Abstract |
・グレリン皮下投与製剤化-本研究ではヒト病態における持続治療としてのグレリン開発を目指しておりこの目的のためには皮下投与が簡便である。これまでに、皮下投与用グレリンの製剤化を行った。臨床試験薬に関する手順書を作成して製剤化し、臨床試験薬管理者のもとで管理する体制を構築した。 ・グレリン皮下投与研究プロトコールの作成-本研究では人におけるグレリンの神経作用を解析するが、自律神経の活性は個人差が大きくまた被験薬がオープンラベルであればその影響が考えられるため、研究計画としては2重盲検クロスオーバー試験を策定した。 ・MemCalc法を用いた自律神経機能解析法の確立-自律神経異常と、心不全、冠動脈疾患、急性心筋梗塞による死亡率との関連が言われている。自律神経に対するグレリンの作用を検討するため、非線形かつ非定常な波形信号の解析の際に最も有効な解析手法であるMemCalc法を用いて自律神経障害を検出する方法を糖尿病患者にて確立した。 ・内因性グレリンの自律神経活性に及ぼす生理的・病態生理的意義-グレリン遺伝子欠損マウスに病態モデルを作製し、心拍変動解析を用いて心臓自律神経活性におけるグレリンの生理的・病態生理的意義を検討するとともに、生存率・心血管機能における内因性グレリンの意義を研究しているが、現在までにグレリンの欠損した動物では、交感神経活性が高くまた心筋梗塞後の生存率が低いことを明らかにしている。 ・グレリン類似物の治療的効果の検討-ヘキサレリンは成長ホルモンの分泌促進活性をもつ合成ペプチドであるが、グレリンの受容体に結合してその作用を発揮することが知られている。ヘキサレリン皮下投与の自律神経活性や種々の病態における心機能に及ぼす効果の検討から、この化合物がグレリン類似の心保護作用を有することが示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、「内因性ペプチドホルモンであるグレリンの自律神経調節作用をヒトにおいて明らかにし自律神経が病態を大きく修飾する疾患におけるグレリン投与効果を検証する」ことにあるが、これまでにヒトグレリン皮下投与に向けて、研究プロトコールを作成し、グレリン皮下投与製剤化を行ってきた。また、MemCalc法を用いた自律神経機能解析法の確立も臨床的に確立しており、実際の研究開始に向けて準備が整ったと考えられる。基礎的検討においても、内因性グレリンの自律神経活性に及ぼす生理的・病態生理的意義やグレリン類似物の治療的効果の検討を継続しており、成果を論文発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、これまでに準備した臨床研究計画のとおり、被験者の説明同意を得て臨床的なグレリン皮下投与の自律神経系の活性に対する効果を検討する。また、グレリンの心臓保護効果の機序に関しても基礎的検討を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初3月までに臨床研究登録を開始する予定であったが、倫理委員会承認に時間がかかったことにより、4月以降に持ちこしたため。 計画通りに症例登録と臨床研究の遂行を進める。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Circulating Des-acyl Ghrelin Improves Cardiovascular Risk Prediction in Older Hypertensive Patients2013
Author(s)
Yano, Y: Nakazato, M: Toshinai, K: Inokuchi, T: Matsuda, S: Hidaka, T: Hayakawa, M: Kangawa, K: Shimada, K: Kario, K
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Journal Title
AMERICAN JOURNAL OF HYPERTENSION
Volume: 27(5)
Pages: 727-733
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Ghrelin protects the heart against ischemia-induced arrhythmias by preserving connexin-43 protein2013
Author(s)
Soeki, T; Niki, T; Uematsu, E; Bando, S; Matsuura, T; Kusunose, K; Ise, T; Ueda, Y; Tomita, N; Yamaguchi, K; Koshiba, K; Yagi, S; Fukuda, D; Taketani, Y; Iwase, T; Yamada, H; Wakatsuki, T; Akaike, M; Shimabukuro, M; Kishimoto, I; Kangawa, K; Sata, M
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Journal Title
HEART AND VESSELS
Volume: 28(6)
Pages: 795-801
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A link between FTO, ghrelin, and impaired brain food-cue responsivity2013
Author(s)
Karra E, O'Daly OG, Choudhury AI, Yousseif A, Millership S, Neary MT, Scott WR, Chandarana K, Manning S, Hess ME, Iwakura H, Akamizu T, Millet Q, Gelegen C, Drew ME, Rahman S, Emmanuel JJ, Williams SC, Rüther UU, Brüning JC, Withers DJ, Zelaya FO, Batterham RL
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Journal Title
J Clin Invest
Volume: 123(8)
Pages: 3539-3551
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Tryptophan stimulates ghrelin secretion by the ghrelin-producing cell line, MGN3-1 cells in vitro2013
Author(s)
Koyama H, Iwakura H, Bando M, Hosoda H, Hosoda K, Akamizu T, Kangawa K, Nakao K
Organizer
ENDO 2013:The 95th Annual Meeting & Expo
Place of Presentation
Moscone Center, San Francisco, USA
Year and Date
20130615-20130618
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