2013 Fiscal Year Annual Research Report
膵β細胞量に着目した糖尿病テーラーメイド医療の基盤整備
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24390235
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
寺内 康夫 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40359609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 純 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70625532)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膵β細胞 / グルコキナーゼ / グルコースシグナル |
Research Abstract |
<1> 膵β細胞におけるグルコキナーゼの新規標的遺伝子の単離とその機能解析:マイクロアレイやプロテオーム解析で同定された分子群の遺伝発現を、膵β細胞増殖が関与する高脂肪食負荷モデル、膵切除モデル、妊娠モデル、ob/obマウス、db/dbマウス、Akitaマウス、Gck+/-マウス、IRS-2欠損マウス、p85α欠損マウスといった病態モデルマウスにおいても解析した。これらのモデルにおける個々の遺伝子の発現の違いから、病態に応じたグルコースシグナルの役割を検討した。 <2> 膵β細胞増殖におけるグルコキナーゼを介したグルコースシグナルの役割:膵切除後膵β細胞増殖機構における責任分子同定のため、Sham手術と膵切除施行後の単離膵島における遺伝子発現マイクロアレイを施行した。新規分子をクローニングし、単離膵島や膵β細胞株で過剰発現もしくは発現低下させ、GKAやグルコースシグナルの影響を検証した。食事中のリノール酸やパルミチン酸による膵β細胞障害モデルにおけるグルコキナーゼの役割を、Gck+/-マウスやGKA投与による治療効果を用いて解析した。 <3> 膵β細胞アポトーシスにおけるグルコキナーゼを介したグルコースシグナルの役割:グルコキナーゼおよびその下流分子の小胞体ストレス誘導性アポトーシスにおける役割を明らかにするために、Akitaマウスと各遺伝子改変マウスを掛け合わせ、グルコキナーゼ欠損Akitaマウス、IRS-2欠損Akitaマウス、膵β細胞特異的IRS-2過剰発現Akitaマウスを作製し、糖尿病発症や小胞体ストレス誘導性の膵β細胞アポトーシスに対するグルコキナーゼおよびIRS-2を介した小胞体ストレス制御の役割を個体レベルで解析し、生体内での意義を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は膵β細胞におけるグルコキナーゼの新規標的遺伝子の単離とその機能解析、膵β細胞増殖におけるグルコキナーゼを介したグルコースシグナルの役割の検討、膵β細胞アポトーシスにおけるグルコキナーゼを介したグルコースシグナルの役割の検討を計画しており、ほぼ予定通りに研究が進行し、数編の論文化もできた。 マイクロアレイやプロテオーム解析で同定された分子群の遺伝発現を、膵β細胞増殖が関与する高脂肪食負荷モデル、膵切除モデル、妊娠モデル、ob/obマウス、db/dbマウス、Akitaマウス、Gck+/-マウス、IRS-2欠損マウス、p85α欠損マウスといった病態モデルマウスにおいても解析できた。これらのモデルにおける個々の遺伝子の発現の違いから、病態に応じたグルコースシグナルの役割を検討することができた。。 膵切除後膵β細胞増殖機構における責任分子同定のため、Sham手術と膵切除施行後の単離膵島における遺伝子発現マイクロアレイを施行した。新規分子をクローニングし、単離膵島や膵β細胞株で過剰発現もしくは発現低下させ、GKAやグルコースシグナルの影響を検証し、論文化できた。 食事中のリノール酸やパルミチン酸による膵β細胞障害モデルにおけるグルコキナーゼの役割を、Gck+/-マウスやGKA投与による治療効果を用いて解析できた。 グルコキナーゼおよびその下流分子の小胞体ストレス誘導性アポトーシスにおける役割を明らかにするために、Akitaマウスと各遺伝子改変マウスを掛け合わせ、グルコキナーゼ欠損Akitaマウス、IRS-2欠損Akitaマウス、膵β細胞特異的IRS-2過剰発現Akitaマウスを作製し、糖尿病発症や小胞体ストレス誘導性の膵β細胞アポトーシスに対するグルコキナーゼおよびIRS-2を介した小胞体ストレス制御の役割を個体レベルで解析し、生体内での意義を明らかにできた。これらの成果も論文化できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は膵β細胞におけるグルコキナーゼの新規標的遺伝子の単離とその機能解析を計画している。既にDNA発現マイクロアレイ、およびラージスケールプロテオーム解析にてGKAを作用させた時や膵切除後において作用する新規分子群を同定している。細胞レベルでの機能解析を進め、興味深いものについては、ラットインスリンプロモーターカセットを用いて膵β細胞特異的過剰発現マウスを作成する、あるいは他の研究室で樹立されている遺伝子改変マウスを共同研究にて供与していただき、個体レベルでの機能解析も進める予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] β cell proliferation after a partial pancreatectomy is independent of IRS-2 in mice.2014
Author(s)
Togashi Y, Shirakawa J, Orime K, Kaji M, Sakamoto E, Tajima K, Inoue H, Nakamura A, Tochino Y, Goshima Y, Shimomura I, Terauchi Y.
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Journal Title
Endocrinology
Volume: 155(5)
Pages: 1643-52
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Effects of the antitumor drug OSI-906, a dual inhibitor of IGF-1 receptor and insulin receptor, on the glycemic control, β cell functions, and β cell proliferation in male mice2014
Author(s)
Shirakawa J, Okuyama T, Yoshida E, Shimizu M, Horigome Y, Tuno T, Hayasaka M, Abe S, Fuse M, Togashi Y, Terauchi Y.
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Journal Title
Endocrinology
Volume: 155
Pages: en20132032
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Trefoil factor 2 promotes cell proliferation in pancreatic β cells through CXCR-4-mediated ERK1/2 phosphorylation.2013
Author(s)
Orime K, Shirakawa J, Togashi Y, Tajima K, Inoue H, Ito Y, Sato K, Nakamura A, Aoki K, Goshima Y, Terauchi Y.
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Journal Title
Endocrinology
Volume: 154
Pages: 54-64
Peer Reviewed
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[Journal Article] AMPK is involved in the regulation of incretin receptors expression in pancreatic islets under a low glucose concentration.2013
Author(s)
Tajima K, Shirakawa J, Togashi Y, Inoue H, Sato K, Orime K, Ito Y, Kaji M, Sakamoto E, Nakamura A, Aoki K, Goshima Y, Atsumi T, Terauchi Y.
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Journal Title
PloS One
Volume: 8
Pages: e64633
DOI
Peer Reviewed
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