2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規内因性軸索伸張促進因子Lotusの脳虚血後神経再生に及ぼす効果
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24390346
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
川原 信隆 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60214673)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | brain ischemia / infarction / Lotus / transgenic mouse / regeneration |
Research Abstract |
平成25年度の胎児脳におけるLotusの発現と神経新生との関連であるが、Lotus欠損マウスにおいて正常マウスと比較して細胞移動の僅かな移動障害が見つかった。現在は、これらの異常が真にLotusの情報伝達系による物か否かの検証として受容体であるNgR欠損とのdouble KOマウスで、これらの表現系が消失するか否かを最終確認中である。 脳虚血後のLotusの発現に関する解析では、Western blotにて解析を進めている。再生に伴う機能の評価系として、Long Evanceを用いたラットの局所脳虚血モデルで安定した運動機能の低下を示すことから、本モデルでの解析を進めた。しかし、マウスと95%以上の相同性を示すにも拘わらず、positive control, negative controlにおいて、適切なるバンドの検出が非常に不安定であることが判明した。すでに虚血後のサンプルはすべて採取していあるが、これらの抗体の欠点が判明したために、ラット専用抗体を作成中であり、1-2ヶ月中に完成予定である。 治療実験としては、AP tagのついたrat reconbinant Lotusの作成は成功しており、本蛋白がin vitroにて成長円錐の崩壊などの生理的活性作用を持つこと確認した。現在、脳室内注入した際の分布などについて、検討を加えている。 一方、マウスを用いた過剰発現系と遺伝子knockout系での、脳梗塞後の脳機能の評価も進行中である。grossな 運動機能や、novelty testでは、過剰発現系での回復に差が無いことが判明し、現在はさらに詳細な評価系を検討している。また、KO マウスでの評価も、現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ラット系での抗体作成が律速段階となった。マウスとの相同性が95%以上あることから、当初の判定ではpositiveと見られたものが、その後の詳細なnegative control, positive controlにおいて、疑義が生じることとなった。そのために、早急な対応が必要となり、ラット特異的な抗体の開発を進めざるを得なかった。動物の評価系、reconbinant 蛋白の生成と活性確認等、他の研究は準備を完了しているが、抗体が律速段階となってしまった。また、ricombinant蛋白のyieldが非常に引くことから、in vivoでの投与を行う際しての量の確保が大変厳しい状況である。現在、大量発現系などの検討を加えているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までのところ、遺伝子改変動物での途中評価として、過剰発現系での早期回復は見られていない。これは、齧歯類が非常に高い回復能力をすでに有しているためと思われる。今後は、より軽度の障害を評価できるassay系の確立が重要である。また、kockoutマウスの評価が現在進行中であり、この結果を待ちたい。ラットにおける治療効果については、マウスよりもより負荷のかかった運動評価系(より重篤な障害が長期間持続する)を準備しており、本年度に投与による機能評価を行う予定である。一方、大脳においての新たな神経回路網の再構築については、形態学的な絶対評価が極めて困難であることも事実である。病態モデルを変えた評価系なども、今後は検討してゆきたい。
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