2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規水素吸入療法による院外心停止患者の予後改善を目指した臨床研究
Project/Area Number |
24390405
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80129650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 元昭 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (30265798)
鈴木 昌 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265916)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水素吸入療法 / 心停止蘇生後 |
Outline of Annual Research Achievements |
【動物実験】心停止蘇生後に対する水素吸入の臨床応用に向け、より臨床に即した条件、すなわち心停止蘇生後から、低濃度酸素吸入下においても心肺停止から蘇生後のラットの脳に発生する神経学的後遺症を水素吸入が抑制できるか、詳細な検証を試みた。ラット心室細動心停止モデルを用いた。蘇生後 7 日目の行動試験では水素吸入により、対照と比して認知機能の低下が抑制された。低体温療法と水素吸入を組み合わせることにより最も高い効果を認めた。蘇生 7 日後の脳組織学的検討では、脳海馬における生神経細胞数、軸索損傷、ミクログリア、および大脳皮質の神経細胞変性やアストロサイトの変化を各群間で比較した結果、対照では神経細胞死や炎症反応が著明に認められたのに対し、水素群ではそれらが抑制された。低体温療法と水素吸入の併用より最も高い効果を認め、行動実験や生存実験の結果を裏付けるものと考えられた。 【臨床試験】当院倫理委員会の承認を得て、心停止蘇生後患者に対する水素吸入療法の安全性と有効性の評価を行った。対象患者は、20歳以上80歳以下の院外心停止により救急搬送され、救急搬送中または救急外来で自己心拍が再開した蘇生後患者で、事前に設定した選択基準を満たすもの。代諾者から文章による同意を得られた心停止患者5例を対象に人工呼吸下で2%水素+50%酸素の吸入を連続18時間行った。安全性評価として、事前に設定した本病態で予想しうる心停止発症後7日間以内の臨床的異常変動(53項目)を詳細に観察した。有効性の検討として水素の体内動態および酸化ストレス、サイトカイン、脳機能予後を観察記録した。結果、血中水素濃度は、吸入開始とともに速やかに2%まで上昇し、吸入中止後速やかに低下した。水素吸入による副作用および臨床業務遂行上の不利益をみとめなかった。さらに、水素吸入を行った5例中4症例が意識生命となり独歩退院した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)