2013 Fiscal Year Annual Research Report
補体制御因子を不活化し侵襲性感染症を誘発させる細菌分子の探索
Project/Area Number |
24390410
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50273694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 豊 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50397717)
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90444497)
住友 倫子 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50423421)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細菌 / 感染症 / 免疫 / 補体 / 補体制御因子 / NETs |
Research Abstract |
侵襲性のレンサ球菌感染症では,組織に侵入した細菌が免疫システムを回避することで急速な増殖を可能にすると考えられている.また,細菌由来の病原因子だけでは説明が困難な激しい組織破壊を伴うことが多い.しかしながら,免疫系を回避するメカニズムや劇的な組織侵襲の発生機序は明らかにされていない. ヒトには組織に侵入した微生物から普遍的に身体を防御する自然免疫系が備わっている.自然免疫システムとして,補体カスケードやNETs (neutrophil extracellular traps)が挙げられる.補体カスケードやNETsは,あらゆる病原微生物を排除する必要性があるため,宿主の組織に対しても作動し傷害を与える危険性を孕んでいる.そのため,宿主細胞を保護する制御因子が複数存在する.これまで申請らは,レンサ球菌が分泌するタンパク分解酵素は補体制御因子を分解し補体カスケードの破綻を誘導することを明らかにした.また,菌体の補体免疫回避と除菌後の内因性傷害が起こると推察された.本年度では,好中球の細胞死と共に形成されるNETsに対するレンサ球菌の免疫回避機構について解析を行った.NETsはクロマチンDNAや抗菌性物質から構成され,病原微生物の捕獲・殺菌や補体の活性化を促すことが報告されている.レンサ球菌が産生する細胞壁架橋型の推定ヌクレアーゼに着目し,NETsからの回避に関与するかについて解析を行った.その結果,レンサ球菌の細胞壁架橋型ヌクレアーゼはNETs構成DNAを分解し,NETsによる殺菌からの回避に寄与することが示唆された.また,感染によりNETsの形成が誘導され,宿主に対する組織障害が誘導される一方で,菌体はNETs接触部位で表層ヌクレアーゼ活性によりNETsを分解し生存するという戦略をとることが考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で提唱した仮説を裏付けるような,補体カスケードの破綻を惹き起こすA群レンサ球菌のタンパク分解酵素やNETsを分解する菌体表層ヌクレアーゼを発見し機能の一端を明らかにできたことから,おおむね当初の計画通りに進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
病原性レンサ球菌の免疫回避機構の詳細を明らかにすべく解析する.特に,補体制御因子などの自然免疫系制御因子について解析を行う.自然免疫系制御因子に働く新規のレンサ球菌因子が明らかになれば,これまでに明らかにした因子と併せて,マウス感染モデルにより検討を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験において予定した実験動物数を使用しなかったためである.主に条件検討を行い,次年度以降に備えるためである. 動物実験を実施予定であるため,実験動物費を申請する.実験機器は購入せず,組換え体の作製,MS解析,および動物実験での解析に用いる試薬およびプラスチック・硝子器具を購入する計画である.最終的な実験成果を発表するために,国内および国際学会への参加旅費を計上する.研究成果を英文の学術雑誌へ投稿するために,英語論文の英文校正費,校正者との通信連絡費,および印刷費を計上する.
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Research Products
(26 results)