2013 Fiscal Year Annual Research Report
実験病理学的難治性根尖性歯周炎モデルの開発とその化学的制御法の検討
Project/Area Number |
24390424
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野杁 由一郎 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50218286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵比須 繁之 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 理事・副学長 (50116000)
阿座上 弘行 山口大学, 農学部, 准教授 (40263850)
前薗 葉月 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (00613390)
朝日 陽子 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (50456943)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオフィルム / 難治性根尖性歯周炎 / 根尖孔外 / 抗バイオフィルム薬 / 高病原化細菌 / マイクロCT / ラット / EIkenella corrodens |
Research Abstract |
研究代表者らは、昨年平成24年度に、ラットを用いて難治性根尖性歯周炎モデルの作製に成功した。25年度はそれらの研究成果を第9回世界歯内療法会議でポスター発表するとともに、国際的に著名なアメリカ細菌学会の機関誌の一つであもあるApplied Environmental Microbiology(IF:3.768)に投稿しアクセプトされた。現在雑誌は印刷中で、間もなく掲載される予定である。 一方、研究は研究実施計画に従って実施され、難治性根尖性歯周炎モデルを基にして、これも世界で初となる根管治療モデルの開発に挑戦している。難題であった4根管の根管充填法を根管充填材電気加熱注入器と電熱式根管プラガによる方法から25号の0.6テーパーによる規格根管充填材のシングルポイント法に変更することにより、本モデルもほぼ確立のところまでこぎつけた。今後は、確立したモデル上で、抑制法の開発研究に移行する予定であり、本研究は新規の手技・手法による難治性根尖性歯周炎の制御・予防の礎となるものと推察される。 他方で、辺縁性および根尖性歯周炎の発症と進行と関与するデンタルバイオフィルム構成細菌種の1種であるEikenella corrodensのバイオフィルムの成熟とデタッチメントにLuxSが影響を及ぼすことおよびオートインデューサー2不活性化酵素を産生することを見出し、Journal of Bioscience and BioengineeringおよびBioscience Biotechnology, and Biochemistry の国際雑誌に掲載された。現在このような高病原化のメカニズムについてさらに詳細な検討を加えるべく研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は昨年度確立した難治性根尖性歯周炎モデルを基に、予定した根管治療モデルの開発に成功したので、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、これまでに開発したモデルを基に、予定通り難治性根尖性歯周炎の抑制法の開発研究に移行する予定である。実験病理学的モデルの開発までは至って順調に研究は遂行されており、今後の実施にあたって現状では問題は見当たらない。
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