2012 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群と睡眠時ブラキシズムの関連性解明への包括的アプローチ
Project/Area Number |
24390427
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 泰彦 北海道大学, 大学病院, 准教授 (90200617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 和樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (70399856)
佐藤 華織 北海道大学, 大学病院, 助教 (40281828)
後藤田 章人 北海道大学, 大学病院, 医員 (70466465)
清水 孝一 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (30125322)
浪田 健 北海道大学, 情報科学研究科, 博士研究員 (10571250)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / 睡眠時無呼吸症候群 / 筋電図 / 睡眠ポリグラフ / ウェアラブル / 咬筋 / アルゴリズム / 睡眠 |
Research Abstract |
本研究の目的は,睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者と睡眠時ブラキシズム(SB)患者の睡眠時生体信号を測定し,OSASとSBの関連性とその関連を生じる機序を明らかにすることである.研究は,大きく分けて,計測用宿泊設備での終夜睡眠ポリグラフ(PSG)による生体現象の解析と超小型ウェアラブル計測機器による無拘束状態での自宅における経日的解析からなる.平成24年度は,自宅における測定用の超小型ウェアラブル筋電計システムの確立,終夜PSGデータを基に真のSBとその他の筋活動に識別した波形データの蓄積,終夜PSGデータに基づくOSASとSB発現の時間的関係の検討,SBとその他の運動由来の筋活動波形を識別するSB自動スコアリングのアルゴリズム構築の予備的検討を行った. 1)新システムの超小型筋電計ロガーは,周波数特性5~500Hz,分解能12bit,サンプリング周波数1kHzでAD変換され,24時間連続記録可能である.増幅率,データのメモリへの取り込み間隔,電極間距離,電極貼付方式について予備的に実験を行い,条件を決定した.増幅率は256倍とした.設定した条件で歯ぎしりの疑いのある被験者の夜間の咬筋筋活動の測定を行った結果,記録された筋バーストは,いずれの被験者においても十分認識可能で,夜間睡眠時の個々の被験者の筋活動特性を明らかにできることが実証できた. 2)OSASとSBの両方と診断された患者を解析対象とし,PSGデータと音声・ビデオ映像記録から,SBエピソード(SBE)ごとに最も近くに位置していた無呼吸低呼吸イベント(AHE)を抽出し分類した.その結果,OSASとSBを併発している患者のSBの多くはAHEと近接して発現し,前後的にはAHE直後にSBEが併発する傾向が明らかとなった. 3)PSGデータから,睡眠時の咬筋筋活動を真のSBと判定された波形,睡眠時におけるSB以外の波形,入眠後の中途覚醒期の波形に分類抽出し,波形識別アルゴリズムの閾値として用いられる可能性が見込まれるそれぞれの形態的特徴の候補を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の予定通りの項目,すなわち,自宅における測定用の超小型ウェアラブル筋電計システムの確立,終夜PSGデータを基にした真のSBとその他の筋活動に識別した波形データの蓄積,SBとその他の運動由来の筋活動波形を識別するSB自動スコアリングのアルゴリズム構築の予備的検討を行えたため.
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Strategy for Future Research Activity |
睡眠時PSG・音声ビデオデータの蓄積の継続,SB診断評価システムの構築,生体データ(睡眠動態,交感神経活動,嚥下動態)解析,OSAS治療経過臨床データ収集を推進してゆく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究遂行体制が,当初予測より人件費を必要としなかったことなどから次年度使用額が生じた.次年度は,簡易無呼吸モニターや簡易睡眠モニターの購入により,複数の被験者を平行して測定できる体制をとる.また,それに伴い測定,解析数が増えることが見込まれ,人件費謝金の必要性が高まる予定である.
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Research Products
(2 results)