2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織幹細胞の非対称性細胞分裂の破れと疾患発症のメカニズム
Project/Area Number |
24390466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (90524984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 伸也 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70239490)
柳田 学 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (80379081)
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (60452447)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯周病 / 幹細胞 / ニッチェ / 非対称性細胞分裂 / 歯学 |
Research Abstract |
臓器特異的な幹細胞の"非対称性細胞分裂機構"は、自己複製による幹細胞数の維持並びに組織特異的な前駆細胞への分化誘導を制御する上で必須の機構である。本研究では、歯周組織の恒常性維持機構のみならず、歯周病の病態発症進行から組織再生の全ての過程における、"歯周組織幹細胞の非対称性細胞分裂"の生理的役割を明らかにすることで歯周組織の破壊と再生のメカニズムの解明を目標としている。 1、in vitro歯周炎病態モデルにおける歯根膜幹細胞の非対称性細胞分裂機構の解析をおこなった。その際に、初代培養ヒト歯根膜細胞(HPDLs)を用いた。この細胞集団はES細胞に特異的なまーかーであるSSEA3/4、CD105、CD73陽性の細胞集団を含むことをFACSによる解析により明らかとした。実際に、これらの細胞亜集団を用いて細胞周期の解析をin vitro BrdU取り込み試験にて検討した。継代培養を重ねて複製老化が進行されたHPDLsにおいてはSSEA4陽性細胞の割合に大きな変化はないもののSSEA3陽性細胞の著明な減少を認めた。老化歯根膜幹細胞集団は、硬組織分化長期培養において、石灰化物形成能が低下していることを組織染色により確認した。幹細胞性維持の分子機構として、microRNAの網羅解析を実施し、バイオインフォマティクスによる解析検討を実施中である。 2、歯周炎の各病態における"歯根膜幹細胞-ニッチェ"の生理作用を明らかとする為に、マウス歯周炎モデルにおける歯根膜幹細胞の非対称性細胞分裂の生理機構の解析の為の基礎実験を行った。マウスを用いたPorphyromonas gingivalis(P.g.)感染歯周炎モデル、咬合性外傷モデルを構築し、歯周炎の病態の進行の評価法としてμCTを用いた定量解析が組織切片を用いた解剖学的形態の観察と同レベルに有効であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初代培養ヒト歯根膜細胞がES細胞に特異的なSSEA3/4、CD105、CD73陽性の細胞集団を含むこと、老化により幹細胞細胞亜集団の割合が減少することをFACS解析により見いだしたことにより、幹細胞-ニッチェ細胞の細胞間コミュニケーションを明らかにする為に有用なin vitroの実験系が構築された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究計画を引き続き実施するとともに、マウス歯周炎モデルにおける歯根膜幹細胞の同定をin vivoの実験系を中心として推進する予定である
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費に2,500,000円、旅費に200,000円、その他に46,725円の経費を予定している。幹細胞の機能制御についての解析実駐に用いる試薬の購入と学会への参加発表の経費として予定している。
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Research Products
(3 results)