2013 Fiscal Year Annual Research Report
地域ケアにおけるジェンダーの次元とアーティキュレーション・ワークに関する国際比較
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24402032
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
原山 哲 東洋大学, 社会学部, 教授 (90156521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 辰司 東洋大学, 社会学部, 教授 (50141073)
西野 理子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50257185)
朝倉 京子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00360016)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会学 / ジェンダー / ケア / 国際比較 / 地域 |
Research Abstract |
平成25年度に実施した、北フランス、南フランスにおける訪問看護師へのインタヴュー、質問票による調査について、2013年度は、調査結果の分析を進めた。2013年6月、原山哲(研究代表者)、朝倉京子(東北大学、研究分担者)が、北フランスの地域ケアについて、施設見学とあわせて、訪問看護師とのインタヴューを実施した。さらに、9月、原山哲(研究代表者)が、フランス・労働経済社会学研究所が開催したケアの日仏比較セミナーにおいて、P.モッセと、研究報告を行った。その成果をもとに、さらに、朝倉京子(研究分担者)とともに、フランス語での共同執筆論文を準備している。 並行して、地域ケアにおける広域のネットワークの可能性について、青木辰司(研究分担者)は、東日本大震災後の東北地方との比較の視点から、8月イギリス・イングランドにおける英国洪水協会を訪問し、インタヴュー調査を実施した。その成果について、2014年1月、NPO法人・日本グリーン・ツーリズム・ネットワークセンター主催(東洋大学・白山キャンパス)のシンポジウムにおいて、青木辰司が報告し、原山哲が参加した。また、西野理子(研究分担者)は、2014年度に実施予定のイギリスにおける家族を中心とするネットワークの調査の準備をすすめた。 平成25年度における海外出張の旅行経路は下記のとおりである。 1)2013年6月:北フランスにおける調査 東京-パリ往復(6日滞在)日本側2名。2)2013年8月:イギリス・イングランドにおける調査 東京-パリ往復(6日滞在)日本側1名。3)2013年9月:フランス・労働経済社会学研究所・セミナー 東京-エクサンプロヴァンス往復(6日滞在)日本側1名。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度から開始した東日本大震災後の東北地方、在宅医療の比重が高い長野県、また、北フランス、南フランスにおける訪問看護師を中心とする地域ケアの調査の結果について、分析と考察を、フランス側の研究協力者(P.モッセ、フランス労働社会学研究所、Lest)とともに、進めることができた。この成果については、フランス語での論文執筆の段階に至っている。 また、日本におけるコミュ二ティが、フランス、イギリスにおける広範囲のネットワークとの相違があること明らかにされ、コミュニティの変貌についての知見が、調査によって、具体的に明らかにされた。 なお、アーティキュレーション・ワークによる「ケア」のネットワークの形成について、ジェンダーの視点から理論的な考察をおこなっているF.ブルジェール(F.Brugere、ボルドー大学)の著書を、翻訳し刊行した(「ケアの倫理」2014年1月、白水社)。
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Strategy for Future Research Activity |
日本における東北地方と長野県、およびフランスにおける北部と南部において、地域ケアの展開について研究発表を下記のようにおこなう。 2014年7月横浜での国際社会学会(ISA)において、P.モッセ、原山哲とが、オーガナイザーとして、労働社会学(RC30)での部会"Health Professions and Organizations, Issues of International Comparison"を主催する。また、同じく7月に、F.ブルジェール(ボルドー大学)とともに、「ケア」についてのシンポジウムを東京で開催する(アンスティチュ・フランセ東京と共催)。 以上の成果から、フランス側の研究協力者とともに、フランス語での共著論文(Revue francaise de sociologieを予定)を執筆、刊行する。また、日本語での共同執筆での著書を刊行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年7月に横浜で開催される国際社会学会(ISA)で、P.モッセ(フランス側研究協力者)と原山哲(研究代表者)がオーガナイザーとなり、部会“Health Professions and Organizations, Issues of International Comparison”を開催することにした。その結果、最終年度である平成26年度にフランス、イギリスで予定していた、フランス側を中心とする研究協力者とのシンポジウムを、横浜での国際社会学会での部会、および、国際社会学会への参加者とともに東京でのシンポジウムを開催することが必要となった。 この理由により、平成25年度に予定していた物品費、および謝金を割愛し、平成26年度におけるフランスの研究協力者の招へいのための費用とした。 平成25年度において、データ分析のためのPC、およびソフトは物品費として支出を予定していたが、PCなどを研究分担者の間で共同使用することで支出を削減し、平成26年度におけるフランス側の研究協力者2名の東京への招へいの費用(旅費、謝金、シンポジウムの同時通訳)とした。また、平成25年度に、フランスと日本における訪問看護師へのインタヴューに予定していた謝金は、無償でのインタヴューを依頼し、平成26年度のフランス側の研究協力者へのシンポジウムでの講演謝金、ならびに同時通訳への謝金とすることにした。
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Research Products
(2 results)