2012 Fiscal Year Annual Research Report
中国朝鮮族の移住労働における女性の役割と「トランスナショナルな家族」の研究
Project/Area Number |
24402036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鄭 雅英 立命館大学, 経営学部, 教授 (90434703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄 善允 大阪経済法科大学, アジア研究所, 教授 (80388636)
宮島 美花 香川大学, 経済学部, 准教授 (70329051)
出羽 孝行 龍谷大学, 文学部, 准教授 (20454530)
呉 紅敏 大阪経済法科大学, 教養部, 准教授 (00469256)
林 梅 関西学院大学, 先端社会研究所, 研究員 (20626486)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 中国:韓国 / 社会学 / 文化人類学 |
Research Abstract |
2012年度は中国(延辺朝鮮族自治州、大連・青島市)、韓国(ソウル)、日本(大阪、東京)で分担した調査を行い、インタビュー記録を中心とする多くの資料を収集した。 「朝鮮族女性が移住労働に関わるプロセスと、それによる生活と意識の変化」に関しては、延辺州調査(8月)にて延吉市D村、H村および安図市S村で村民からインタビューを行ったほか、ソウル(10月、11月)と大阪(12月、1月)、東京(随時)では複数の朝鮮族移住者から「女性移住労働者のホスト社会における生活設計、人的ネットワークの形成状況」に関する部分も含めた比較的詳細なインタビュー記録を蓄積している。以上で得られた資料を基礎に、研究分担者権香淑は韓国で論文「A Study on Korean-Chinese Immigration」を発表したほか、研究分担者林梅は「労働移動の「女性化」と村落権力構造の変化」を日中社会学会誌に投稿し2013年度の掲載が決定している。 「留守家庭に残された子供の状況調査」に関しては、8月と9月に安図市と延吉市で朝鮮族学校の訪問調査と「留守家庭」を体験した複数の大学生からのインタビューを実施している。 また大連・青島調査(3月)では、過去20年間に東北地方の朝鮮族集住地から中国内の沿海部発展都市に移住した朝鮮族のコミュニティで経済(就業、起業など)状況、家族状況、教育と高齢者福祉に関する状況を調査し、資料の蓄積を行った。 また調査の打ち合わせと調査状況の共有も兼ねた研究会を大阪で5回開催し、12月と1月の研究会では在日朝鮮族の方をお招きし全員でのインタビューも実施した。 以上の年間蓄積をもとに、研究代表者鄭雅英は3月に朝鮮族研究学会大会にて「中国朝鮮族の現状と課題」を表題とする講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度計画の中核に置いた中国と日本における朝鮮族女性移住者からの聞き取り調査と、その内容を含めた研第会開催が想定より順調に進んだ。調査数の少ない韓国における対応が課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
・中国、韓国、日本における移住朝鮮族女性を対象にした聞き取り調査、および中国における留守家族と学校を対象にした調査を継続し、女性移住労働における今日的課題を明確化する。 ・中国における調査をより円滑化するため現地教育機関などとの連携を強化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度末に直接経費の利用を前提に発注した物品(コンピュータ周辺機器)の納品が間に合わなかったために発生した。少額(7,451円)であり、25年度研究費と合わせ事務用物品購入に充てる予定である。
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Research Products
(10 results)