2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国朝鮮族の移住労働における女性の役割と「トランスナショナルな家族」の研究
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24402036
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鄭 雅英 立命館大学, 経営学部, 教授 (90434703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 紅敏 大阪経済法科大学, 教養部, 准教授 (00469256)
権 香淑 大阪経済法科大学, アジア研究所, 研究員 (00626484)
宮島 美花 香川大学, 経済学部, 准教授 (70329051)
出羽 孝行 龍谷大学, 文学部, 准教授 (20454530)
玄 善允 大阪経済法科大学, アジア研究所, 教授 (80388636)
林 梅 関西学院大学, 先端社会研究所, 研究員 (20626486)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中国朝鮮族 / 女性移住労働 / トランスナショナルな家族 / 延辺朝鮮族自治州 / 在韓朝鮮族 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
2013年度は中国朝鮮族女性の労働移動のもたらす家族、教育、社会福祉などへの影響をより明らかにすることに重点を置き5回の共同研究会と2回の共同調査、および複数回の単独調査を行った。 研究会は1.5月19日(立命館大阪キャンパス)全信子延辺大教授「朝鮮族結婚移民の現況」、2.7月28日(大阪経法大麻布セミナーハウス)玄武岩北海道大准教授「中国朝鮮族とコリアン・ネットワーク-リベラル・ナショナリズムからの問いかけ」、3.10月19日(龍谷大)賽漢卓娜東京外大研究院「中国朝鮮族の国際結婚」、4.11月17日権香淑大阪経法大研究員「中国朝鮮族の移動と戸籍・国籍問題:1990年代以降における〈家族分散〉の事例から」、5.1月26日宮島美花香川大准教授「中国朝鮮族の移動と社会保障」、玄善允大阪経法大教授「オールドカマーのある在日の家族の物語―移動した人(一世)とその結果を生きる人(二世以降)―」の5回である。 現地朝鮮族へのインタビューと資料収集を主眼とする共同調査は1.8月18-29日延吉市内、2.3月6-16日哈爾浜、瀋陽、延吉、北京、3.3月15-20日済州の3回にわたり、このほか単独によるソウル調査、新大久保コリアタウンフィールドワーク他を実施した。 上記研究活動を通じ、1.朝鮮族移住労働の背景にあるコリアンネットワークの形成実態と理論的解析、2.朝鮮族女性の国際結婚による移住過程と家族、コミュニティに与える課題、3.日中韓をまたぐ移住労働者の戸籍と社会福祉問題、4.散在地域における労働移動に伴う中国朝鮮族コミュニティーの再編状況に関し、新たな知見を獲得できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的のうち、朝鮮族女性の移住労働における社会的・経済的プロセス解明、移住に伴う家族関係の維持/再構築のプロセス解明、移住労働が女性の社会的位相やコミュニティに及ぼす影響の各課題については研究会や調査活動を通じて分業的に実績を蓄積しつつある。 唯一、日中関係の悪化が一部少数民族地域における調査を困難にしている部分もあり、慎重に対処している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度を迎え、中国・延辺朝鮮族自治州などの労働移住送り出し地域のほか韓国や日本などの受け入れ地域における補充的調査を進め、研究会を通じて今研究の課題達成度を検証する。なお2014年12月には中国から研究者を招請し、総括的な研究会ないしシンポジウムの開催を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者・鄭雅英は、2013年8月に科研費を利用し12日間の中国延辺朝鮮族自治州での調査及び延辺大学における学会・研究会参加を予定していた。しかし、大学校務(立命館大学コリア研究センターと延辺大学との研究交流に向けた協議ほか)で同期間に別予算で延辺に滞在できることになり、校務の間に調査・学会参加も可能となった。このため、当初予定していた旅費の支出(およそ30万円)が不要となり、次年度分の研究費とした。 2014年12月に予定している総括的研究会(シンポジウム)に招聘を予定している中国人研究者の旅費、謝金等に充当する予定である。
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Research Products
(24 results)