2012 Fiscal Year Research-status Report
アジア系人種における糖尿病性腎症の予後調査と予後規定因子の国際比較研究
Project/Area Number |
24406028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
和田 隆志 金沢大学, 医学系, 教授 (40334784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 彰一 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10362253)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / アジア人種 / コホート / 腎機能 / アルブミン尿 / 腎予後 / 心血管病変 / 生命予後 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症は最大の慢性腎臓病であり、その予後規定因子の評価と対策、最終的な予後改善は喫緊の課題である。本研究の目的は、アジア地域における糖尿病性腎症の予後調査、予後規定因子の解析および本邦との国際比較を行うことである。本研究においては、アジア太平洋地域に於けるCKD対策の共同行動組織であるAFCKDI(Asian Forum of CKD Initiative)ならびに当該諸国ですでに確立している韓国、台湾などのアジア諸国のコホートを基盤にし、KDIGO(Kidney Disease : Improving Global Outcomes)より発表された新しいCKDステージ分類にてアジア人種における糖尿病性腎症の腎予後、心血管イベントならびに生命予後とそれらのリスク規定因子の解析を行う。さらに、現在論文投稿中の本邦の糖尿病性腎症の予後関連因子、予後判定のためのスコアリングシステム案を用いて、国際的にアジア系人種のコホート間で比較、検証を行う。平成24年度内に6月の日本腎臓学会総会AFCKDI小委員会、8月のInternational Society of Hemodyalysis(台湾)、11月の米国腎臓学会(San Diego)ならびに平成25年2月CK DFrontier(名古屋)開催時ならびにメール会議にて韓国2施設、台湾5施設、タイ1施設ならびにシンガポール1施設との研究者との協議を行い、国際共同研究体制を構築しつつある。本研究の学術的な特色、独創的なことは、本邦の代表的なコホートから得られた成果を、いまだ十分に予後調査、リスク因子解析が行われていないアジア諸国にて国際比較、検証を行う点にある。本研究の成果は、本邦の糖尿病性腎症の総合対策の一環、予後改善につながるばかりではなく、アジア諸国における糖尿病性腎症の総合対策立案と実行に関して具体的かつ基礎的な情報を提供することとなる。その結果、当該諸国のみならずアジア地区全体の糖尿病性腎症患者に対する福音、国民の福祉向上に寄与する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに韓国2施設計2名、台湾5施設計6名、タイ1施設1名ならびにシンガポール1施設1名の研究者とこれまでに4回の会議ならびに随時メール会議にて協議し、国際共同研究体制を構築しつつある。この際、毎回、研究計画の概要と具体的な実施計画について相互理解を得るべく議論を重ねてきた。この協調体制はこれまで、AFCKDIを通じて共同研究体制を検討していた実績があり、その基盤を生かしたものである。 この研究の基盤となる本邦の糖尿病性腎症のデータベースの論文投稿ならびに受理が進んでいる。本邦を代表する10コホートから4814例のアルブミン尿/蛋白尿ならびにGFRによる腎機能による予後調査(論文投稿中)、メタ解析(投稿中)、腎病理診断を行った糖尿病性腎症例の予後解析(投稿中)かつ本邦の糖尿病性腎症前向きコホート(登録時論文Clin Exp Nephrol 2013)の体制基盤を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も引き続き、韓国、台湾、タイなどアジア諸国の研究者との説明会を開催し、国際共同研究体制を確立する。そのうえで、各コホート内の糖尿病性腎症例の定義の相互確認、アルブミン尿/蛋白尿の測定結果の確認に加えて、GFR値の測定法ならびにその結果、必要な臨床データを収集する。それらをふまえて、倫理審査の逐次進める。 研究内容として、策定中のスコアリングシステム案の国際比較・検証を行う。加えて、アジア諸国の糖尿病性腎症の予後が判明しているコホートにおいて、適応が可能か、検証を行う。アジア諸国の研究協力者はAFCKDIの国際組織委員会のメンバーである。実際、当該諸国の研究協力者とはこれまでも良好な関係が継続し、共同研究を推進してきた実績がある。したがって、申請者らは当該諸国の協力者と連携を深めることにより、本研究の遂行が一層円滑となり、十分な成果が得られる見込みが高い。 さらに、国際会議における会議等の密接な交流に加えて、頻繁なメール会議により、本研究課題の取組みへの緊密な関係を構築、維持、発展させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究打ち合わせ(名古屋大学,東京,7日間×1人) 研究打ち合わせ、中間報告会(韓国,台湾,インド,2人)成果発表 外国論文校閲 通信費研究成果投稿料
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[Presentation] 糖尿病性腎症の管理2012
Author(s)
古市賢吾, 和田隆志
Organizer
第42回日本腎臓学会西部学術大会
Place of Presentation
沖縄コンベンションセンター(沖縄)(招待講演)
Year and Date
2012-10-26
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[Presentation] 糖尿病性腎症2012
Author(s)
和田隆志
Organizer
第42回日本腎臓学会東部学術大会
Place of Presentation
朱鷺メッセ(新潟)(招待講演)
Year and Date
2012-10-14
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